研究課題/領域番号 |
20K12750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
安里 健太郎 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 教授 (10610321)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 介護ロボット / ニーズ・シーズ連携 / ラピッドプロトタイピングツール / 簡約化体現モデル / 仮想空間 / VR活用 / シーズ・ニーズ連携 / ラピッドプロトタイピング / ICF / ニーズ・シーズ連携養成 |
研究開始時の研究の概要 |
介護分野の諸問題を解決するため,我が国では介護ロボットの利活用を推進している.しかし,実際の介護現場では,介護ロボットが定着できていない現状があり,これは開発・普及の両面でニーズ・シーズ連携が十分に行われていないことが要因となっている. そこで本研究では,〈介護〉と〈ロボット〉の融合的知見を涵養する新しいニーズ・シーズ連携養成法を構築し,この要因を解決することを目的とする.これは,ニーズ側とシーズ側が協働で介護ロボットの開発プロセスを模擬体験することによって,〈介護〉と〈ロボット〉への理解を深めていく実践的手法であり,介護ロボットの働きを再現する簡易モデルを活用することが大きな特徴となっている.
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研究実績の概要 |
本研究は,介護ロボットの開発・普及の両面でニーズ側とシーズ側が密に連携していくための融合的知見を涵養する新しい連携養成法を構築することを目的としている.この目的達成に向けて,2022年度は,主に「ラピッドプロトタイピングツール開発」のモジュール拡充および知能制御系ソフトウェア環境(主に人工知能を利用した分類問題を介護ロボット開発に応用できる環境等)の構築を行ってきた.また,3DスキャナとVR技術を活用し,ラピッドプロトタイピングツールによって製作した簡約化体現モデルを仮想空間上でも検証できる環境構築を行ってきた.この研究内容に関連する成果として,2022年度は,令和5年電気学会全国大会で1件,2023年電気学会次世代産業システム研究会で1件の学会発表を行った. そして,本研究実施の中で2021年に発表した学術論文『介護ロボット開発におけるニーズ・シーズ連携法の構築: ICFモデルにより簡約化された機器機能を体現するモデルの活用』(電気学会論文誌D,141巻2号pp.113-123)の成果に基づき,プレワークショップを想定した介護ロボット開発を行ってきた.その中の一つは,2019年介護ロボットニーズ・シーズ連携協調協議会沖縄県協議会で検討を行ってきた介護ロボットであり,ニーズ側との連携の中で特に重要となる部分を抽出し,開発に反映させることができることが確認できた.この研究内容に関連する成果として,2022年度は,2023年電気学会情報システム研究会で1件,2023年電気学会次世代産業システム研究会で1件の学会発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では,開発したラピッドプロトタイピングツールを使ってニーズ側専門家を含めたプレワークショップおよび本ワークショップを実践する計画であった.しかしながら,前年度に引き続き,新型コロナウイルス感染拡大の影響で,介護系専門家(介護福祉士や作業療法士等)の協力を得てその検証を行うことができなかった.そのため進捗は遅れている.しかしながら,2022年度は仮想空間上でもワークショップが実践できる方法の検討を行ってきており,VRゴーグルやスマートフォンを活用して遠隔でも開発介護ロボットのニーズ・シーズ連携ができるような環境構築を行ってきた.ただし,まだ簡易的なものとなっているため,継続して仮想空間でもニーズ・シーズ連携が十分可能な環境構築を行っていく必要がある. また2022年度は,それと平行してラピッドプロトタイピングツールの「駆動系モジュール」「センサモジュール」「制御・知能系モジュール」の拡充も行ってきたが,それら開発ツールのフィードバックをニーズ側(介護系専門家)から得られていない状況であり,それに関しても今後の課題となっている.
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今後の研究の推進方策 |
22022年度も引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響が多大であり,介護系専門家とプレワークショップおよび本ワークショップを実施することが困難な状況であった.そのため当初3年間の研究計画を予定していたが,2023年度まで延長することとした.2023年度はまずは,対面でプレワークショップおよび本ワークショップが実施できるように,介護系専門家(あるいは介護系専門学校)と調整を行っていく計画である. なお,並行して引き続き仮想空間でもニーズ・シーズ連携が柔軟に行えるような環境構築も行っていく計画である.具体的には,Nvidia社のプラットフォームOmniverseにおいて,Izaac Sim(ロボット開発シミュレータ),Izaac Gym(物理シミュレーション環境),ROS2(ロボット開発OS)等を連携させ,人体の運動を再現できる3Dモデルを使って,仮想空間上で開発介護ロボットの動作確認や検証が行える環境の構築を行っていく計画である.また,これまで開発してきたラピッドプロトタイピングツールを用いて構成した簡約化体現モデルを,仮想空間上の3Dモデルとして得ることができるシステムの開発も行っていく予定である. また,プレワークショップによって得られた介護系専門家からのフィードバックに基づいて,本研究のブラシュアップを行い,理想的なニーズ・シーズ連携が達成可能な介護ロボット開発プラットフォームの構築を目指して行く予定である.
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