研究課題/領域番号 |
20K12755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
榎本 崇宏 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (90418989)
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研究分担者 |
高橋 章 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90304047)
上番増 喬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10581829)
芥川 正武 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90294727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腸音 / 飲料摂取 / 便秘 / 音響特徴量 |
研究開始時の研究の概要 |
便秘は、腹痛や腹部膨満感で生活の質(QOL)を低下させる。女性や高齢者に多く、国内で便秘に悩む人が増加の一途をたどっている。しかしながら、客観的指標による便秘症状 の評価が難しいため、症状に応じた排便ケアが提供できず、不必要な受診や投薬が行われていると考えられている。そこで、本研究では、“在宅でも使用可能な ”腸音の音響特徴に基づく便秘の客観的評価システムの開発を進める。このシステムが普及拡大すれば、投薬量や受診頻度の継続的な低減につながり、将来的な医療費削減にも貢献できると考えられる。なお、本研究は、本学の研究分担者と研究協力者である井野辺純一先生(井野辺病院院長)と連携して進めていく。
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研究実績の概要 |
便秘は世界中で広く認識されている疾患であり、排便困難、腹痛、腹部膨満感といった症状が長期にわたって生活の質(QOL)を低下させることがある。欧米では便秘の有病率が約15%とされ、年齢が上がるにつれてその割合が増加すると報告されている。慢性便秘では、腸の運動の低下や便の滞留、腸内ガスとの関連が指摘されている。慢性便秘の詳細な病態を把握するためには、排便造影検査や大腸通過時間検査などの専門的な検査が必要とされるが、これらの検査は全ての医療機関で利用可能とは限らない。腸音の非侵襲的な測定は、腸の運動や腸内ガスに関連する重要な情報を提供すると考えられる。そこで本研究では、「在宅でも使用可能な腸音に基づく便秘の客観的評価システム」の開発を目指しており、その一環として腸の運動性評価方法の開発を推進している。今年度の研究では、飲料摂取試験を通じて、特定の飲料において飲料摂取前の腸音の音響特徴量は飲料摂取後の音響特徴量に影響を与えることが明らかになった。さらに、この影響は腸音の検出限界によるものではないことも確認された。これまでの腸音に基づく研究において、腸の運動性の変化は例えば飲料摂取前後の腸音の音響特徴量の比較から考察されてきたが、今回の研究結果はこの領域における理解を深める新しい洞察を提供する。これにより、より高精度な腸の運動性評価法の開発が期待されると同時に、客観的な便秘の評価への貢献も期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで新型コロナウイルスの影響により、予定していた実験を実施することができず、また、持続的な研究活動ができない状況が続いていたため、研究に遅れが生じていた。
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今後の研究の推進方策 |
今回の発見をもとに、腸音データの更なる収集と解析手法の精度向上に取り組み、腸音に基づく便秘の客観的評価システムの基盤を構築したいと考えている。
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