研究課題/領域番号 |
20K12765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
廣冨 哲也 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (70379692)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 歩行車 / 疲労 / ブレーキアシスト |
研究開始時の研究の概要 |
歩行機能の低下した高齢者は、屋内外での自立した移動を補助する支援機器として歩行車を使用する。しかし、比較的短時間に疲労が蓄積し、歩行車の使い方に変化が生じる。そのため、転倒を防止するためには、疲労による使い方の変化を考慮したブレーキアシストが必要となる。本研究では、歩行動作そのものではなく、「歩行車と使用者の距離」および「歩行速度」により歩行車の使い方をモデル化し、適応的にブレーキを制御することを提案する。
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研究実績の概要 |
前年度の問題点をふまえ、健常者8名(平均年齢22.3歳、標準偏差0.9)を対象とし、歩行車を使用して平坦な直線26mを歩行する時のデータを計測・分析した。通常時と疲労時のそれぞれにおいて、歩行のみを行う場合と二重課題として減算を行いながら歩行を行う場合について比較した。歩容の乱れを表す指標として、ストライド時間変動に着目した。疲労時に二重課題を課すと、通常時に比べてストライド時間変動が大きくなり、より歩容が乱れることがわかった。 また、歩容の乱れに対し、歩行車による物理的な補助に加えて、メトロノームの音を認知的な補助である Rhythmic Auditory Cueing (RAC) として使用することを検討した。歩行車を使用した歩行の90%、100%、110%のリズムのメトロノームの音を流しながら再度歩行を行った場合の、ケイデンス、ステップ長、歩行速度を計測した。健常者8名のデータでは、いずれの場合でもケイデンスとメトロノームのリズムの差が十分に小さいことが確認できた。しかし、RACと移動補助具なしの歩行に関する先行研究で報告されているようなステップ長の変化はみられず、歩行速度の変化は小さかった。これは、足の動きが歩行車のフレームにより制限されたことが原因だと考えられる。歩行車を使用した歩行において、ステップ長と歩行速度に対するRACの効果は限定的であるが、ケイデンスを一定に保ち、歩容の乱れを軽減できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備実験をやり直し、歩行動作の計測・分析についての改善を優先したため。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者を対象としたデータ計測・分析を実施し、RACの適用可能性についても検討する。
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