研究課題/領域番号 |
20K12790
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
松浦 和也 東洋大学, 文学部, 教授 (30633466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 哲学 / ギリシア哲学 / 方法論 / 自然哲学 / アリストテレス / プラトン / 科学 / 質料形相論 / 四元素説 / 科学史 / 変化 / 空間 / 技術 / 時間 / 場所 / 受容史 / ある / 一と多 / 言語 / 存在論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アリストテレスの自然哲学的議論に散見される後期プラトン対話篇からの影響を、プラトンの主張とアリストテレスのそれとの差異と共通点に着目するだけではなく、アリストテレスの思考の流れの中に散見されるプラトン的思索との類似性や同一性を発見、分類、定位することによって、アリストテレスの哲学体系に与えたプラトンの積極的寄与の内実を、現代の文献学的作法と成果に即して明らかにすることを目論むものである。
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研究成果の概要 |
アリストテレスにとってプラトン『ティマイオス』は容認すべき言説というよりも、むしろ批判し、克服すべき言説であった。しかし、エレア派的思索との対峙を色濃く残すプラトン『パルメニデス』等に見られる「一と多」や「限界」といった抽象的対象に関する発想と形而上学的議論はアリストテレスの自然哲学の形成において既知の前提として機能している。また、プラトン『法律』に見られる自然哲学的基礎概念はアリストテレスの自然哲学的教説の中でかなりの部分が利用されており、プラトンないしアカデメイア内部における議論がアリストテレスの自然哲学の形成の概念的な出発点となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アリストテレスの自然哲学は、彼以前の自然哲学的言説への厳しい批判を含むゆえに、彼独自のものとして解されやすい。しかし、彼自身の積極的な自然哲学的言説の背景を仔細に確認すれば、単なる類似性として軽視することは許されない後期プラトンとの影響関係が見られた。この関係が意味することは、自然哲学を形成するにあたり、観察事実だけではなく、アリストテレスは名指ししてはいないが、彼以前の哲学的言説およびアカデメイア内部での哲学的議論を出発点のひとつとしていることが明らかとなった。
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