研究課題/領域番号 |
20K12797
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
小林 徹 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70821891)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 構造人類学 / 野生 / 存在論 / 野生の存在論 / 図式論 / 感染症 / 現代人類学 / 存在論的転回 / フランス哲学 / 人類学 / 思想史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、モーリス・メルロ=ポンティとクロード・レヴィ=ストロースがそれぞれの仕方で提示した「野生」という領域横断的概念を手掛かりとして、現代人類学における「存在論的転回」という動向を的確に理解し、その代表者であるフィリップ・デスコラや、その後の現代人類学を牽引するフレデリック・ケックの思想を通じて、自然と文化、動物と人間の区別を問い直し、文化的差異や生物学的差異が時に極端な暴力や破局的状況を引き起こしている今日の社会情勢に対する有効なアプローチを抽出することを目指すものである。
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研究成果の概要 |
現代人類学における存在論的転回は、世界を把握するという人間の基本的な営みに関する考え方に根本的な変更を促し、現代哲学に大きな問いかけを残している。本研究では、クロード・レヴィ=ストロースの構造人類学とモーリス・メルロ=ポンティの現象学的思考との思想史的な交叉に立ち返り、この革新的動向の哲学的意義および実践的射程を探った。彼らがそれぞれの仕方で提示した「野生」の概念は、構造概念をめぐる従来の考え方の再構築を促し、現代における人間性の捉え方や、人間科学と哲学的思考の関係の在り方について新たな展望を切り開くものであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代人類学における存在論的転回については、すでにさまざまな議論が行われ、検証が続けられているが、本研究は、領域横断的な思想史的観点からこの問題にアプローチし、モーリス・メルロ=ポンティとクロード・レヴィ=ストロースにおける「野生」の概念を再検討する作業を通じて、この動向の哲学的意義と実践的射程を明らかにした。特に両者が提示している構造概念の含意を掘り下げ、その今日的な意義を探ることによって、新型ウイルスのパンデミックに直面している現下の状況の中で、人間性についての理解を深め、人間諸科学がもたらす諸成果を踏まえつつ思考する道を具体的に示した。
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