研究課題/領域番号 |
20K12814
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
松澤 裕樹 成城大学, 経済学部, 准教授 (70780617)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ドイツ神秘思想 / ヨハネス・タウラー / 根底 / クラウゼ / 万有内在神論 / 新プラトン主義 / ドミニコ会 / ハインリヒ・ゾイゼ / 霊的哲学 / 思弁的神秘思想 / マイスター・エックハルト / 存在論 / 倫理学 / 無 / 神秘的合一 / ドミニコ会霊性 / 神秘主義 / 説教 |
研究開始時の研究の概要 |
ドミニコ会は、「説教者兄弟団」というその正式名称からも窺えるように、説教による福音伝道を目的として設立された修道会である。本研究では、スコラ神学の内にではなく、説教の内にこそドミニコ会霊性の本質が見出されるという想定に基づき、十三世紀のドミニコ会士における大学説教の研究、マイスター・エックハルトにおける大学説教と民衆説教の比較思想研究、十四世紀の民衆説教におけるドミニコ会霊性の変容と波及に関する研究を通して、十三世紀と十四世紀におけるドミニコ会霊性の形成と展開の全容解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「説教者兄弟団」という正式名称を持つドミニコ会における霊性の形成と展開を、マイスター・エックハルトにおける大学説教と民衆説教の比較思想研究、十四世紀の民衆説教におけるドミニコ会霊性の変容と波及に関する研究を通して解明することにある。 今年度は、①前年度に行ったタウラーの説教におけるエックハルト受容に関する研究を論文としてまとめ(現在印刷中)、②新たに、エックハルトの全説教に通底する存在論と万有内在神論の関係について研究を進め、その結果を論文にまとめた。 上記の研究①では、タウラーの説教における鍵概念であるgrunt概念のドイツ神秘思想における位置づけが明確化された。従来の研究では、タウラーのgrunt概念がエックハルトのgrunt概念を継承しながらも、それとは異なる要素を有することが指摘されていたが、その原因について思想史的観点から解明されることはなかった。本研究により、タウラーがラテン語概念群(mens, scintilla animae, synderesis, apex mentis)を背景にもつ中高ドイツ語gemuteの意味と新プラトン主義の思想をgrunt概念に取り込むことで、エックハルトにおいては「神秘的合一の場所」を意味していたgrunt概念に「神への愛の動性」という新たな意味を付与したことが明らかとなった。 上記の研究②では、これまでカエタヌス(1469-1534)によるアナロギア論の分類に即して「帰属のアナロギア」という範疇の内で理解されてきたエックハルトの存在論を、新たにクラウゼ(1781-1832)の提唱する「万有内在神論」の枠組の内で理解する可能性について検討した。その結果、「万有内在神論」はエックハルトの存在論の一部においてのみ適用可能だが、彼の思想全体を包括する理論としては不適切であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初予定していたヨハネス・タウラーの全説教に関する研究を遂行することができ、エックハルト以降のドミニコ会霊性の展開について新たな成果を発表することができたため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、以前はタウラーの著作だとされていたが、現在はその誤りが確定し、著者不明とされるドイツ神秘思想の著作『霊的貧しさに関する書』におけるエックハルトとタウラーの思想的影響を研究するとともに、当著作と密接な関連を有するフランシスコ会士リンダウのマルクヴァルトの中高ドイツ語説教を分析することで、ドミニコ会霊性のフランシスコ会への思想的影響についても検討を進めていく予定である。
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