研究課題/領域番号 |
20K12815
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
岡本 圭史 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90802231)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 宗教の系譜学 / 自然主義的アプローチ / 存在論的展開 / 宗教の認知科学 / 認知言語学 / 関連性理論 / 都市 / モダニティ / 存在論 / 心的表象 / 呪術 / 科学 / 人格化された悪 / 新自由主義 / 生活世界 / ペンテコステ派運動 / 妖術 / ミジケンダ / ケニア / 宗教概念 / 悪魔崇拝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ケニア海岸地方に住むドゥルマと呼ばれる人々の集まるキリスト教会の宗教人類学的フィールドワークに基づく、宗教概念の再構築並びに宗教現象の輪郭の再画定である。出稼ぎ民の集まる海岸都市モンバサの教会に注目し、①出稼ぎ民の前に顕在化する経済格差と悪魔崇拝言説が結びつく過程や、②妖術や憑依霊、悪魔崇拝者という霊的脅威に対処する人々の生活実践を民族誌的に記述する。これらを基に、呪術や宗教と呼ばれてきた領域の再構成を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、宗教概念への問いをその西欧的出自をめぐる問いへと発展させた系譜学的アプローチを、1980年以降のDan Sperberの著作群に依拠する文化への自然主義的アプローチと共に、宗教現象の民族誌的研究へと統合することを試みた。ケニアでのキリスト教の現地調査を実施すると共に、人類学や宗教研究等の諸分野の成果に基づく理論的考察をも実施し、国際学術雑誌への英語論文公刊を含む成果を挙げた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宗教に対する理解は異文化理解の重要な一部分を占めるにもかかわらず、社会問題化したいわば宗教現象の負の側面をめぐる情報がマスメディアでは強調され、価値中立的な宗教理解の機会は十分に提供されていない。更に宗教の定義問題を系譜学的アプローチが更新した後の宗教研究の今日的立場もまた、異文化理解や多様な宗教伝統の理解を必要とする読書人や職業人に十分に還元されていない。本研究のこれまでの成果は主に学術的著作を通じて公刊されているものの、同時代の宗教者及び宗教伝統の蓄積した知恵を宗教研究者が同時代人へと伝達する役割の一端を、本研究は果たし得たと判断できる。
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