研究課題/領域番号 |
20K12821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
梶原 直美 関西学院大学, 教育学部, 教授 (90310680)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 徳 / 愛 / 信仰 / キリスト教 / いのち / 生き方 / オリゲネス / キリストの模倣 / 善 / 他者 / 祈り / 喜び |
研究開始時の研究の概要 |
多様性のなかで生きるべき規範を見出すのが困難になりつつある現代、たとえば人の生き方を問う倫理学でも再び「徳」に注目している。本研究は、宗教性とも深く関わる「祈り」に注目し、それが人間の生き方にどのように関わり、人間の精神と行為にいかなる肯定的影響を及ぼすのかを明らかにする。そのために、祈りと徳のうちに生きた古代教父オリゲネスと、とくに社会で弱い立場に置かれる人々とともに生きてきた生活共同体ベーテルの人々の、祈りと生き方について研究を行う。
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研究成果の概要 |
東方教父オリゲネスの著作から、オリゲネスにおける徳理解について探究し、さらに彼の門下生タウマトゥルゴスの証言から、オリゲネスの生涯にみる徳実践のありかたについて検討した。そのさい、オリゲネスの信仰と祈りが彼にどのような影響を及ぼすのかについても考察した。 それらは、「オリゲネスの信仰にみる徳実践の可能性」(『宗教と倫理』21号、15-29頁)および「オリゲネスとことば―神の像とそこに向かう生を求めて―」(『ことばの力―キリスト教史・神学・スピリチュアリティ』キリスト教新聞社、2023年3月)に発表した。 当初は福祉共同体ベーテルを訪問予定であったが、新型コロナ感染症拡大により中止した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
科学技術が発展し、様々な恩恵を受けるなかで、それを使用する側の倫理が問われて久しい。倫理の問題は古来より問い続けてこられたが、20世紀からは「徳倫理」に関する研究が増加し、結果だけを問うのではなく行為者自身の内発的な要素に着眼することの重要性が認識されるようになっている。 本研究では、有徳とみなされるオリゲネスについて、生き方、思想を論じ、信仰との関連性について述べた。これは、現在に生きるわれわれにとっても、真の意味で豊かに生きる指針への示唆を与えるものであると言える。
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