研究課題/領域番号 |
20K12832
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
太田 悠介 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70793074)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | エティエンヌ・バリバール / ポストコロニアリズム / 政治主体 / 反人種主義 / インターセクショナリティ / 脱植民地化 / ポスト・コロニアリズム / スカーフ論争 / 人種主義 / イマニュエル・ウォーラーステイン / フランス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は脱植民地時代のフランスにおける政治主体の解明を目指す。アルジェリア戦争(1954-1962)終結により植民地帝国の時代に終止符が打たれたフランスでは、フランス人民衆層と旧仏領植民地出身の民衆層が国内に混在するという脱植民地期に特有の状況が現れる。本研究は現代フランスの哲学者エティエンヌ・バリバールの思想を主たる参照軸とし、さらには精神分析の知見も取り入れつつ、多様な出自を持つこのような民衆がいかにして政治の領域において主体たりえるのか、またこの主体がどのような特質を備えているのかという点を思想史研究の観点から考察する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、仏領植民地の独立後、多様な出自を持つ住民層が混在するポストコロニアル時代を迎えたフランスにおいて、いかなる政治主体が形成されるのかを思想史の観点から考察することである。現代フランスの哲学者エティエンヌ・バリバールの著作および旧仏領植民地出身の移民を対象とする文献を主たる先行研究として考察を進めた。複合的なアイデンティティに特徴づけられる旧仏領植民に出自を持つ住民層と従来のフランスの民衆層との間にある争点と接点について、特に反人種主義とインターセクショナル・フェミニズムの視点を取り入れながら多角的に分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
旧仏領植民地出身者とその子孫に焦点を当てる移民研究と哲学者エティエンヌ・バリバールの思想研究を架橋することによって、脱植民地期フランスに特有の複合的なアイデンティティを備えた政治主体論を考察した。旧仏領植民地出身の移民労働者に対する人種差別、移民第二世代の権利要求運動、公立学校におけるムスリムの女子生徒のスカーフの是非といったポストコロニアル時代から現代へと至るフランス特有の社会問題を思想史の観点から解明し、その成果を論文、図書、口頭発表を通じて公表した。
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