研究課題/領域番号 |
20K12847
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
松本 麻耶子 (古謝麻耶子) 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (60835734)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アフリカ音楽 / 多言語社会 / モザンビーク / 身体性 / パフォーマンス / 多文化共生 / 多言語話者 / 民族音楽学 / モザンビーク音楽 / 言語継承 / ポピュラー音楽 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、モザンビークに住む人々の実生活における使用言語やアイデンティティの複数性のあり様と文化継承のダイナミズムを、音楽実践の場に着眼して明らかにしようとするものである。モザンビークでは、生活の中で現地語の歌を歌ったり、既に存在する伝承歌をアレンジする形で創作を行ったりすることが日常的に行われている。本研究では、 その実態を明らかにするとともに、複数の民族の言語や音楽様式が交じり合いながら歌がつくられていく事例にも着目する。そして、このような音楽実践が、モザンビークにおける緩やかな輪郭線のエスニック・アイデンティティの継承にどのような影響を与えているのか考察する。
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研究実績の概要 |
2023年度の4月から7月にかけては前年度までのデータの整理と関連研究の把握に努めた。8月には3週間、モザンビークの首都マプト市に滞在し、多様なエスニック集団からなる音楽グループの音楽創作のプロセスを明らかにするための調査を行った。各メンバーの音楽的背景や使用言語の多様性についてインタビューを行い、楽曲にそれらの多様性がどのように反映されているのかについて、メンバーと議論を行った。練習やコンサートの場で参与観察を行いながら撮影を行うことで、異なる文化的背景を持つ人々同士が曲作りや演奏を行いながら築いている関係性や音楽的コミュニケーションを考察するための資料を得ることができた。8月の後半に行われたモザンビーク全国文化フェスティバルでは、多様なジャンルの音楽グループの演奏の撮影やインタビューを行うことができた。また、2022年度に現地アーティストとの音楽創作を行った際に、現地の対話的な音楽創作をを分析していくためには、調査の場で自分自身が実際に音楽的コミュニケーションを行うことが非常に重要であるという気づきを得たため、2023年度のモザンビークでの調査でも、引き続き、現地アーティストとの音楽創作を行った。そして、11月にモザンビーク人アーティストが来日した際に、沖縄にも2週間招聘し、沖縄のアーティストも交えながら対話的な音楽創作、芝居とのコラボレーションを行った。この様子の一部をYoutubeにアップロードした。 現代のモザンビークの人々の音楽表現には、多言語状況が育んできた共生のための知恵、また、植民地支配や独立を経験した人々の共通の歴史意識などが反映されていることなどを、本研究は明らかにしてきた。2023年11月の東洋音楽学会第74回大会では、これまでの調査結果の一部を口頭発表した。12月以降はデーター整理に努め、論文を準備中である。
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