研究課題/領域番号 |
20K12853
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 京都芸術大学 |
研究代表者 |
大貫 菜穂 京都芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (20817944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | イレズミ / 身体表象 / 美学 / 装飾論 / メディア論 / 絵画論 / 日本映画 / 浮世絵 / 表象文化論 / タトゥー / 身体 / 芸術諸学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、イレズミが身体と作品の融合たる点に着目し、それが個人と社会の相互関係を構築するしかたを提示するものである。そのため、作品と身体、制度等を包含するものとしてイレズミを分析する。 明らかにする点は以下のことである。まず、イレズミによる主体形成が、社会か個人のどちらか一方には帰結しないとし、そこには個人が社会システムへ帰属することを示す社会準拠性と、個人の内的な規定や感覚の生成を示唆する個人準拠性という、真逆の指向性があることを提示する。次に、イレズミが、絵画を身体化し、そして身体を絵画化するに至るプロセスと、彫師や絵、そして身体そのものという他者を介した個人の自己同一化のしくみを論じる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、本研究が採択された新型コロナ禍突入後、初めてフィールドワークが可能になったため、調査実績を積むことに重点を置いた。 7月、9月、3月と、これまで世界のイレズミについて取材してきた人や、彫師に対して、申請者が調査・考察するイレズミの機能を詳らかにするような、1980年代以降の歴史的動向や、各彫師の制作の状況及び顧客との関係について調査できた。 同時に、本研究の最終年度の2023年度の成果発表(口頭発表、論文・書籍等での発表)のための質的調査をする基盤が築けた点が大きな成果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況は、「(2)おおむね順調に進展している」と「(3)やや遅れている」の中間程度といえる。 その理由は、2020年度後半から開始した研究やその成果発表、本研究の最終成果発表の計画は順調といえるが、都道府県をこえた調査研究が2022年度になってやっと開始できたという点で遅れているからである。 ただし、22年度夏以降の調査は概ね順調であり、なおかつ最終年度に向けた準備が進んでいる点に鑑みた場合、最低限の水準は満たせていると判断できることから、概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は2021年度から22年度に基盤を築いた①彫師・顧客に対する聞き取り調査、②戦後日本映画におけるイレズミ表象に対する調査、の二つを両輪とした研究を継続する。 ①は「身体の絵画化/絵画の身体化とそれを経た個人の主体形成」「そのプロセスにおける彫師-作品=イレズミ-顧客の相互作用」といった本研究の課題の核心に迫る内容については、2023年度内までに書籍として出版できるように進める。
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