研究課題/領域番号 |
20K12854
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
藤岡 真衣 関西大学, 研究推進部, 非常勤研究員 (20774607)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 劇場建設 / 近代大阪 / 道頓堀 / 中村儀右衛門 / 都市景観 |
研究開始時の研究の概要 |
明治期以降の日本の劇場は、東京については、劇場設計者や構造が演劇史や建築史の分野でこれまで明らかにされている。一方、大阪については、劇場建設に直接関わった人物の資料が見当たらず、詳しく検討されてこなかった。しかし、「大阪の劇場大工 中村儀右衛門資料」(関西大学なにわ大阪研究センター蔵)から、明治期以降の大阪各地の劇場を、中村儀右衛門が設計・建設・修繕したことが明らかになった。本研究では、これまでの劇場研究を踏まえ、「中村儀右衛門資料」や当時の新聞記事などをてがかりとしながら、近代大阪の劇場工事の経過や興行関係者を解明することで、劇場建設が都市景観の形成に与えた影響にまで視野を広げて考察したい。
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研究実績の概要 |
本研究は、これまでの演劇史や劇場史の研究を踏まえ、劇場建設や興行に関連する諸資料をてがかりとしながら、明治期以降における大阪の劇場建設の経過や興行関係者の動向を解明することで、劇場建設が都市景観の形成に与えた影響を考察することを目的とする。2023年度は以下のような3つのテーマをもうけて資料の補足調査を実施した。 (1)大工・中村儀右衛門の経歴 (2)道頓堀および大阪各地の劇場建設の経過および興行の実態 (3)大阪を中心とする演劇興行の歴史的変遷 まず(1)のテーマでは、大工・中村儀右衛門がたずさわった建設工事(劇場およびそれ以外の建築物を含む)に関する資料の補足調査を実施した。続いて(2)のテーマでは、近代以降の道頓堀をはじめとする大阪各地の劇場建設・興行経営に関連する資料調査を行なった。これに加えて、当時の大阪の劇場建築の構造等を把握するため、明治期以降の近代建築物に関する資料の収集も進めた。 そして(3)のテーマでは、大阪を中心とする演劇興行の歴史的変遷や興行実態を把握するため、関連する資料展示を図書館・資料館・博物館施設等で見学・閲覧し、近世・近代の興行の変遷に関する研究図書・論文等の収集も行なった。なお、以上の(1)~(3)のテーマでは、関連する文献資料・演劇関係資料・新聞記事等を調べるとともに、絵画資料や写真資料等の調査も行なった。主に関西大学図書館や国立劇場伝統芸能情報館図書閲覧室、大阪市立中央図書館、阪急池田文庫等での資料調査(閲覧・複写)を行なうとともに、オンラインのデジタルコレクションやデータベース等を利用して資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、劇場建設・興行の関連資料を閲覧・収集・分析するため、図書館・資料館・博物館施設等での調査を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、予定していた現地での資料調査の一部を実施することができない状況となり、資料の収集・分析にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの資料調査の分析や研究成果(拙稿「道頓堀の劇場と櫓」〔『関西大学博物館紀要』第29号、2023年3月〕)等を踏まえた上で、劇場建設・興行の関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等において補足調査を行ないたい。また、現地調査に加え、オンラインのデジタルコレクションやデータベース等を用いた資料調査・収集も実施する予定である。 劇場建設・興行に関連する文献資料・絵画資料・演劇関係資料・新聞記事等の収集・分析により、近代大阪の劇場建設の経過や興行関係者の経営方法などを把握し、劇場建設が都市景観の形成に与えた影響を引き続き考察したい。
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