研究課題/領域番号 |
20K12862
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河村 彩 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (20580707)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | キネチズム / キネティックアート / 非公式芸術 / 社会主義芸術 / カバコフ / インファンテ / 運動グループ / コレイチュク / ソヴィエト非公式芸術 / ヌスベルク / メディア・アート / ソッツアート / メディアアート / ロシア構成主義 / ロシアコスミズム / ナウム・ガボ / ロシア・コスミズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「東側」の戦後美術の動向に着目し、ソヴィエトのキネチズムがいかにしてメディア・アートの先駆のひとつとなったのか、社会主義国ソヴィエトという地域で発展したことに由来する特異性はどのようなものであったのか明らかにする。考察にあたっては、モスクワ・コンセプチュアリズムら同時代の非公式芸術との共通性はどのようなものであったのか、20世紀初頭のロシア・アヴァンギャルドの課題をいかに発展させ、ロシア・コスミズムなどの宗教哲学からどのような影響を受けているか、サイバネティクスや宇宙開発といった当時のソヴィエトにおける科学技術の発展をどのように受容し表現しているか、の三点に焦点を当てて研究を進める。
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研究成果の概要 |
世界有数のソヴィエト非公式芸術の作品を所蔵するラトガース大学附属Zimmerli美術館、およびテッサロニキ近代美術館コスタキ・コレクションにて調査を行った。戦争のためにロシア国内で予定していた調査は不可能となったため、代わりにキネチズムとも関連のあった中東欧の戦後美術の調査を、ブダペスト及びプラハの国立近代美術館において行った。またキネチズムとも共通する動向を示したものとして、大阪万博での太陽の塔および具体美術協会による展示物の調査を行った。キネチズムについては査読論文「宇宙開発時代のメディア・アート:ソヴィエト連邦のキネチズム」を発表し、ソヴィエト非公式芸術に関しては4つの論考を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
論文「宇宙開発時代のメディア・アート」ではキネチズムを「東側」のメディア・アートとみなし、ロシア構成主義とコスミズムの影響、および背景としての当時の宇宙開発と宇宙ブームを明らかにしながら、公式/非公式というソ連の美術の枠組みの捉え直しを試みた。 また研究期間中に発表したソヴィエト非公式芸術についての4つの論考では、これまであまり考察されてこなかった作家と作品を分析し、ヨーロッパおよびアメリカを中心とする現代美術史に対するオルタナティヴとしての非公式芸術の特異性を明らかにした。
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