研究課題/領域番号 |
20K12865
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
辻 泰岳 筑波大学, 芸術系, 助教 (10749203)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | video / 線描 / 浮彫 / 公共 / 制御 / オブジェ / シアター / パフォーマンス / タブロー / レアリスム / リアリティ / 映像 / 礼拝 / 復元 / 様式 / 形式 / 絵図 / 描写 / 会堂 / 会衆 / デッサン / フォーマリズム / フォーム / スタイル / 共同 / フォーラム / 素描 / ドローイング / 映写 / 写実 / テクノロジー / マテリアリティ / ヴィジュアル・カルチャー / イメージ / 表象 / モニュメント / ポップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では壁画や広場に着目し、アジア太平洋戦争後(戦後)の美術を史的に検証する。既往の研究では分野の枠組みを所与の条件として、当時の建築や絵画、彫刻等が個別の問題とみなされることで、当時の造形に共通する性格や、社会との関係については未だ十分に検討されていない。そのため本研究においては、絵画や彫刻、建築等に自律的な性格を見出そうとする、同時期に形成された評価の基準を必ずしも与件とせず、むしろそうした基準でははかりえない事例を問いたい。本研究は日本を含む極東と西側および東側の諸国の動向との関係をふまえ、こうした観点で成果を示すことによって、冷戦下の世界とその視覚的な性格を詳らかにしていく。
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研究実績の概要 |
特集「万博と冷戦」にあわせて『万博学』の2号に寄稿をした。月の石を眸に焼き付けようと押し寄せた人々は、1970年に開催された日本万国博覧会をこのマテリアルとともに語り継いできた。だが同じアメリカ館の一角に設けられたNew Artsという名のセクションについては会期中の詳報がすくなく、郷愁としてのちに記されることもほとんどない。そのため本稿では、このセクションにおける展示を企画したLos Angeles County Museum of Artのキュレーター、モーリス・タックマン(Maurice Tuchman)に着目した。彼は美術家の手と企業が有する設備等とをむすび、インダストリーとともにあるアートひいてはカルチャーのありようを模索するArt and Technology(A&T)と称するプログラムをLAで進めており、その成果をまず大阪で示そうとした。 このセクションには実験の結果をそのまま示す、ラボラトリーの戸を開け放すかような発表もあった一方で、ロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)やアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)、クレス・オルデンバーグ(Claes Ordenburg)といった、美術とそのポピュラリティを根底において問う作家たちの名も連なっていた。新たなArtsとはいかようかと言葉にすることはできなかった皮相な名のセクションをあえて呼び起こすことで、本稿は自国で重宝される絵画や彫刻あるいは写真等を東西の主義や主張を伝える武具のように扱おうとした高官の視点だけではとらえきれないCold War Cultureのあらわれをとらえている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論考の発表とあわせて次なる課題に取り組むための準備をすでにはじめており、順調な進展であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき文書や絵図、写真など資料等を集めるとともに、これまでに発表をした成果をまとめ示すための作業を進める。
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