研究課題/領域番号 |
20K12869
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
高橋 早紀子 愛知学院大学, 文学部, 准教授 (40770904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ビナヤカ / 地天 / 鬼神 / 結界 / 『陀羅尼集経』 / 密教 / ガネーシャ / 仏教美術 |
研究開始時の研究の概要 |
密教におけるビナヤカは、象頭人身のガナパティを首領とする諸々の障礙神の総称であったが、中には仏教に帰依して守護神とされるものも出現した。このように、ビナヤカは障礙神/守護神という正反対の属性が付与されうる興味深い尊格である。 本研究は、密教的結界の概念や儀礼を踏まえて、“結界外に撃退される障礙神”と“結界内に祀られる守護神”という視点からビナヤカの表象を体系的に把握し、密教美術史上の意義を明らかにしようと試みるものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、密教的結界の概念や儀礼を踏まえて、“結界外に撃退される障礙神”と“結界内に祀られる守護神”という視点からビナヤカの表象を体系的に把握し、密教美術史上の意義を明らかにすることにある。本研究は、二〇二〇年度から二〇二三年度の四年計画で、(1)実地調査、(2)文献史料の精査、(3)デジタルアーカイブの構築、(4)デジタルアーカイブを活用した作例と文献に関する綜合的考察、(5)研究成果公表、を計画している。 このうち、(1)実地調査に関しては、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によって、当初計画していた国内外での調査や資料収集を行うことができなかった。(2)文献史料の精査を中心に研究を遂行したが、本研究の基礎となる実地調査ができなかったことの影響は大きく、(3)デジタルアーカイブの構築をはじめ、進捗状況に遅れが生じている。(5)研究成果公表に関しては、日独二国間学術交流セミナー「美術史学・考古学から見た伝統東アジアにおける「見えない」ものの変容」において、「アジアにおける地天の変容」と題する口頭発表を行った。本発表では、インド・中国・日本の地天の作例を取り上げ、ビナヤカとの関連を踏まえてアジアにおける図像の伝播と変容の様相を示した。また、本研究における『陀羅尼集経』の検討を端緒とし、平安時代の密教彫刻に関する「平安時代における阿弥陀の印相転換」と題する口頭発表や「観心寺仏眼仏母如来像・弥勒如来像の造像背景―密教僧・願主・制作工房という視点から」(筒井忠仁編『仏師と絵師―日本・東洋美術の制作者たち―』思文閣出版、二〇二三年)と題する学術論文の公表も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によって、本研究の基礎となる国内外での実地調査や資料収集を行うことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた実地調査に基づく体系的研究の遂行は困難と思われるため、今後は対象を主要作例に絞り、刊行図版や文献史料の検討を中心に進める。研究期間の延長も視野に入れ、可能な実地調査については実現を目指す。
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