研究課題/領域番号 |
20K12880
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
研究代表者 |
桑原 有寿子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 研究員 (50784039)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 名物裂 / 染織 / 平戸 / 刺繍 / ノロ関係資料 / 沖永良部 / 徳之島 / 金襴 / 文化交流 / 美術史 / 工芸史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現在日本にて名物裂と呼称される種の古裂について、国外、特に中国において新発見されている出土染織品と比較しながら、従来明らかにされてこなかった成立の過程を探るものである。初年度は名物裂を集めた展覧会を開催し、出陳作品の分析を行う。次年度・次々年度は国内の染織品の調査と、中国における元~明代の染織遺品およびそれ以前の新出土染織品の調査を行う。最終年度は国際会議にて研究成果を発表し、報告書を発行する。
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研究実績の概要 |
「名物裂を中心とした日本伝来古渡裂の歴史的・技法的成立過程を探る研究」は、現在日本にて名物裂と呼称される種の古裂について、国外、特に中国におい て新発見されている出土染織品と比較しながらその成立の過程を探るものである。当初、2021年度は中国国内の研究者と協力して中国に残された染織品の調査を 行い、2022年度は2021年度の海外調査結果をもとに海外研究者を招聘して合同研究会を行う予定であった。しかしながら2021年と同様に、2022年度も新型コロナ ウィルス感染症感染拡大防止措置を受けて中国における調査を行うことが難しく、日本伝世裂の調査を継続することとなった。加えて2023年度は本務の都合により海外出張が行えず、成果不十分と判断し、1年間の延長申請を行った。 2023年度の業績や調査については次の通りである。日本伝世裂の調査については、昨年度に引き続き長崎県平戸市の松浦史料博物館の所蔵染織品の悉皆調査を継続して行った(5月17日~19日、8月31日~9月1日、11月14日~16日)。加賀藩の雑史『三壺聞書』(山田四郎右衛門、宝永年間成立)には、寛永14年(1637)に加賀藩主の前田利常が配下に命じて平戸にて古渡の輸入染織品を収集させた記述が残る。本記録にふさわしく、松浦史料博には様々な時代および種類の染織品が含まれる。今年度までに、染織品調査は全量のうち30% 程度の調査が完了した。次に、15世紀~17世紀の中国輸入裂の可能性を含む染織品調査を目的として、鹿児島県沖永良部島及び徳之島の、神女関係資料調査研究を行った(12月5日~9日)。輸入裂と思われる裂地に琉球にて刺繍を施した15世紀の古裂調査を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度から継続して新型コロナウィルス感染症感染拡大を受けて中国における染織品調査が行えていない。2023年度も海外調査が行えなかった。このため、成果不十分と判断し、1年間の期限延長を申請し、認可された。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は8月に韓国にて開催される国際服飾学会の国際大会にて研究発表を行う。また、本研究の報告書を作成する。
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