研究課題/領域番号 |
20K12882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高橋 憲人 弘前大学, 教育学部, 助教 (30848312)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | テクスティリティ / サウンドスケープ研究 / 素材性 / 美術教育 / 生態学 / 地域芸術プログラム / エコロジー / 照応 / 環境 / 創造性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域住民が生活環境のモノゴトを素材とし主体的に芸術を創造できる地域芸術プログラムの開発を目的とする。そのため、エコロジカルな音楽教育メソッド「サウンド・エデュケーション」の構造を造形芸術実践に応用し、包摂性の高いプログラムとして実装する。①まずは生活環境のモノゴトを素材とする芸術家の創作実践の分析により、素材とのエコロジカルな関わりの構造をモデル化する。② そのモデルを適用したワークショップの実施と参与観察により、地域住民が芸術創造のプロセスを経験できる汎用性、包摂性の高い実践を可能とする手法を明らかにする。③それを基に地域芸術プログラムの開発を行い、成果を広く社会に共有する。
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研究実績の概要 |
本研究は、地域住民が生活環境のモノゴトを素材とし主体的に芸術を創造できる地域芸術プログラムの開発を目的とする。1まずは生活環境のモノゴトを素材とする芸術家の創作実践の分析により、素材とのエコロジカルな関わりの構造をモデル化する。2そのモデルを適用したワークショップの実施と参与観察により、地域住民が芸術創造のプロセスを経験できる汎用性、包摂性の高い実践を可能とする手法を明らかにする。3それを基に地域芸術プログラムの開発を行い、成果を広く社会に共有する。2023年度は、芸術家の鈴木ヒラクの個展やライブドローイング、素材性を重視した制作を行う工芸家たちの近年の取り組み等の視察を行なった。特に工芸家の金森正起氏、相田雄壱郎氏には、日々の制作活動のなかでどのように素材と関わっているかについてインタビュー調査を行なった。また、弘前大学の教養教育科目の授業「アート・プロジェクト入門」で、生活環境のモノゴトを素材としたワークショップを実施し、参与観察、質問紙調査を行なった。これまでの研究成果は、日本音楽教育学会第54回大会実行委員企画シンポジウム「音楽教育とウェルビーイング:次世代に芸術が果たす役割を考える」で発表し、その講演録が『音楽教育学』53巻2号に掲載されたほか、『音楽教育実践ジャーナル』21巻に特集「ウェルビーイングと音楽教育」の招待論文「応答しつづけること―人新世でウェルビーイングを追求するために」として掲載された。さらに、本研究で実施してきたワークショップが収めらた単著『環境が芸術になるとき―肌理の芸術論』が日本サウンドスケープ協会奨励賞を受賞した。サウンドスケープ思想に基づく教育プロクラム「サウンド・エデュケーション」の構造を造形芸術に応用したワークショップの開発を含む本研究が、サウンドスケープ研究の深化をもたらすものとして評価されたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を、日本音楽教育学会第54回大会実行委員企画シンポジウム「音楽教育とウェルビーイング:次世代に芸術が果たす役割を考える」で発表し評価を得た。また、研究成果が『音楽教育実践ジャーナル』21巻に特集「ウェルビーイングと音楽教育」の招待論文「応答しつづけること―人新世でウェルビーイングを追求するために」として掲載された。さらに、本研究で実施してきたワークショップが収めらた単著『環境が芸術になるとき―肌理の芸術論』が日本サウンドスケープ協会奨励賞を受賞した。これは、サウンドスケープ思想に基づく教育プロクラム「サウンド・エデュケーション」の構造を造形芸術に応用したワークショップの開発を含む本研究が、サウンドスケープ研究の深化をもたらすものであると評価されたことに意義がある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、これまでの成果を基にデザインしたワークショップを、地域住民を対象としたアートイベントのなかで実施し、参与観察と参加者へのインタビュー調査を行う。それにより、地域住民が芸術創造のプロセスを経験できる汎用性、包摂性の高い実践を可能とする手法を明らかにし、弘前大学教育学部附属次世代ウェルビーイング研究センターが開発を目指す「青森県型リベラルアーツ」の1プログラムとして実装する。
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