研究課題/領域番号 |
20K12887
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
仲辻 真帆 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (60822715)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 近代日本音楽 / 音楽教育 / 合唱 / 音楽史 / 西洋音楽受容 / 東京音楽学校 / オペラ / シアター・ピース / シアターピース / 声 / 作曲 / 音楽劇 / 近現代日本音楽史 / 音楽学 / 近代日本 / 自筆譜 |
研究開始時の研究の概要 |
合唱は今日の音楽教育において重要な位置を占めている。本研究で扱う「演出付合唱作品」は、学校内で上演された教育的意図をもったオペラや、音楽教育に対して問題提起をしようとしたシアターピースである。とりわけ今回の申請研究では、明治期に上演された《オルフォイス》、昭和初期に教育向けのオペラとして取り上げられた《ヤーザーガー》、そして明治以来の音楽教育システムを告発する意図を内在させた《追分節考》について掘り下げる。 本研究は、上記三作品の創作意図や演奏実態を究明し、近現代日本における音楽史および音楽教育史の歴史的変遷や課題の一端を浮き彫りにするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、19世紀末から20世紀中頃に日本で上演されたオペラやシアターピース(この研究では「演出付合唱作品」と呼称)について、書き込み入りの出版譜、作曲家による自筆譜、上演時の写真等の調査から創作意図や演奏実態を明らかにした。今回は特に東京音楽学校と関連した作品を考察対象とし、音楽教育の潮流をふまえて各作品にアプローチした。この研究において明治・大正・昭和期(近現代日本)の音楽史を歴史的・教育的に考察することにより、それぞれの時代の音楽文化の特徴や音楽観の変容をも浮き彫りになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近現代日本の音楽を創作や教育の観点から検証することは、異文化の受容(移入)や音楽の社会的位置づけとともに、我が国の「音楽」を巡る用語や概念、価値観などの歴史的変遷をも射程に入れることである。本研究は、明治期以降の日本の音楽文化について、創作や演奏の現場で実際に課題となっていたことを重点的に追究することで、それらを進歩史観に基づく認識ではなく今日に連なる多様な試行錯誤の集積として跡付けた。本研究における考察結果は、近代日本の作品研究に実践的な見地を提示すると同時に日本の音楽教育の歴史的検討にも資するものである。
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