研究課題/領域番号 |
20K12889
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
佐々木 友輔 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (10777824)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 公共上映 / 自主上映 / 非商業上映 / 自主制作 / コミュニティ / 映画館 / 地方映画史 / 鳥取 / 自主映画 |
研究開始時の研究の概要 |
情報化やデジタル化を背景として、映画の制作・視聴環境が大きく変化している現在、公共上映(非商業的な団体・個人による映画鑑賞機会の創出の取り組み)の活動形態や役割もまた多様化している。本研究では、映画館が県内に三館しかない鳥取県で公共上映に取り組む団体・個人にインタビュー調査を実施し、個々の活動状況(上映形態、頻度、場所等)を明らかにすると共に、その活動の担い手たちが映画に対して抱く思いや、一観客としての関わりを知ることを通じて、現在の地方都市における公共上映活動の多様化した「動機と目的」の実相を浮かび上がらせることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、鳥取県内で公共上映活動を行う各団体・個人へのインタビュー調査を行った。彼らの活動の動機と目的は、①政治的・啓蒙的な目的で行うもの、②映画ファンが自分たちの見たい(見せたい)作品を見るために行うもの、③地域共同体の活性化を目的とするもの、④地方在住の映像作家が自作の発表の場を作ることを目的とするものとに大別できる。また本研究では、鳥取県内の映画館の開館年と閉館年を調査することで、公共上映活動が求められる時代背景を確認した。結果、鳥取の映画文化の形成には、映画の専門家や熱心な映画愛好者だけでなく、映画上映を別の目的のための手段として活用する人々も大きく寄与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的・社会的意義は、これまで映画研究の傍流に追いやられてきた「地方」の映画文化を研究対象にしたことにある。従来の日本映画史は、実質的には東京や大阪、京都など「大都市」の映画史であった。だが映画の観客史や受容史の観点に立つなら、特権的・例外的な映画体験が得られる大都市圏の映画体験よりも、「地方」の標準的・一般的な映画体験を記述することが必要であろう。またそこで、多様な「公共上映」活動に着目したことも、もう一つの意義である。多様な上映活動を行う団体・個人へのインタビューを通じて、映画館や撮影所の研究からは見えてこない、地方の映画文化の豊かさを浮かび上がらせることができた。
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