研究課題/領域番号 |
20K12890
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
福富 彩子 愛媛大学, 教育学部, 教授 (90549388)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ピアノ演奏法 / 身体メソード / 表面筋電図 / 鍵盤楽器 / 身体法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ピアノ奏者やピアノ学習者のための演奏スキルの向上を図るとともに、近年深刻な問題となっている演奏家の心身の不調和や疾患を未然に防ぐことを目的としている。 本研究では、打鍵動作と筋収縮の関係に着目し、手指の巧緻性を高める「練習法(動き)」の手順をまとめた手引きの提案を行う。 演奏法と身体法を緊密に統合したメソード開発は、今後、指導者・演奏者のプロフェッショナルな活動を助けると共に、学校教育及び生涯学習の寄与にも期待できるものと考えている。
|
研究実績の概要 |
本研究は、ピアノ学習者の演奏スキル向上を図るとともに、近年深刻な問題となっている演奏家の心身の不調和や故障、疾患等を未然に防ぐ練習方法の開発を目的としている。申請者は「鍵盤楽器における演奏指導法の開発:身体メソードを中核として(課題番号:17K14039(若手研究B, H29-R4)」においてピアノ学習者を対象とした予備実践を行い、練習を助けるための複数の「補助的な動き」を抽出した。それらの動きの有効性を検証する実験の結果、1)打鍵時に指先に 伝達する力は緩めず、指先以外にかかる動作筋収縮の緩和を促すことで手指の巧緻性を高めること、2)指先の触感の意識化とともに、動かす指以外の身体部位に動きの制限を与えることで特定の指の独立・分離を促進させることが示唆された。本研究は、これらの調査で得られた知見に基づき、打鍵動作と筋収縮の関係に着目した体系的な動きのあり方を検討し、演奏時の筋電計測のデータを根拠として、有効な練習方法を提案することを目的としている。 当該年度は、10年以上の経験を有するピアノ学習者を対象とした補助的な動きの実践及び筋電計測(筋電センサーTS-MYO)を伴う実験を、愛媛大学教育学部研究倫理委員会(2024年5月16日付)の承認を得て実施した。演奏身体法有資格者の協力を得て、2つの「補助的な動き」①指の触覚を促し各指の独立を促すエクササイズ、②肩甲骨から前腕までのしなやかな動きを促すエクササイズーを整理し、実践動画を作成した。本実験では、2つの課題(ドホナーニの練習曲、六度間のトレモロ音型)を組み合わせた4パターンの演奏課題を設定し、対象者に補助的な動きの実践前後に演奏してもらった。評価は、①筋電計測(右手前腕の屈筋・伸筋)、②演奏(リズム・音色等)の客観的評価、③対象者自身の自己評価により行った。現在、専門家の協力を得て筋電計測結果ついて解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究がスタートした2020年以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類感染症に移行するまでの間、専門家との対面による身体法の研究や対象者への演奏身体法の実践・筋電計測を伴う実験が行えない状況であったが、2023年度より研究が進められるようになり、予備的な実験を得て、2024年2月に研究協力者への筋電計測によるデータ採取を実施することができた。現在、専門家の協力を得て筋電計測の結果について解析・分析を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに得られたデータを整理して分析・考察を行い、学会、紀要等での発表を行う。具体的なスケジュールは次のように予定している。R6/4月-6月:演奏時の筋電図・映像の解析(専門的助言)、R6/7-8月:解析結果の考察(専門的助言)、R6/9月:学会発表準備、R6/10月:学会発表、R6/11月-R7/2月:論文執筆、R7/3-4月報告書作成。
|