研究課題/領域番号 |
20K12896
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京音楽大学 |
研究代表者 |
早坂 牧子 東京音楽大学, 音楽学部, 准教授 (10807126)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 三浦環 / シューベルト / 冬の旅 / 録音分析 / 洋楽史 / 演奏スタイル / 訳詞 / シューベルト《冬の旅》 / 歴史的録音 / 音響分析 / 日本人音楽家 / テンポ / 蝶々夫人 / 演奏スタイル分析 / 音響解析 / 20世紀初期の声楽家 / 西洋音楽受容 |
研究開始時の研究の概要 |
三浦環(1884~1946)は、戦前に国内外で《蝶々夫人》を歌った「本邦初の国際的プリマドンナ」として知られる一方、その歌唱自体については、音楽学の立場から詳細に検討されることがなかった。本研究では、受容史・演奏分析研究の手法を拠り所に、国内外に現存する三浦の演奏の記録と批評を精査し、また三浦自身の録音の音響解析を通じてその歌唱を分析する。三浦の歌は人々にどう聴かれたのか。また同時代のオペラ歌手と比較して、三浦の歌をどのように評価できるだろうか。三浦の国際的音楽活動と演奏スタイルの実際を、20世紀前半に活躍した声楽家たちの文脈に位置づけながら、彼女の音楽家としての功績について改めて考察する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に引き続き国内外の三浦環関連資料を収集すると共に、三浦によるシューベルト《冬の旅》の録音(NHKアーカイブス所蔵)と訳詞(玉川大学教育博物館所蔵)の調査結果を「三浦環の《冬の旅》(2) : 訳詞と1946年録音に見る演奏の覚書」(『東京音楽大学研究紀要』第47集、2024年2月、pp. 43-58)として公表した。オンラインで行われた歌曲研究の国際フォーラム Art Song: A Global Force (2024年3月1日)では、"Reviving History: Tamaki Miura’s Winterreise and the Reception of Art Song Performance in 20th-Century Japan" と題し、シューベルト《冬の旅》の日本における上演史と、その文脈における三浦の演奏の意味、三浦の訳詞と演奏の特徴について、実演を交え発表した。 またこれまでの研究成果発表の取り組みとして、三浦の《冬の旅》の歌唱再現演奏会「三浦環のシューベルト《冬の旅》―三浦環の訳詞と新発見の録音史料による再現演奏・語りでおくるプリマ・ドンナの人生と芸術―」の開催準備を進めた。本演奏会は、ロームミュージックファンデーションと日本音楽学会(音楽関係学術イベント開催助成金)の助成を得て、2024年11月29日(金)、三浦環がかつてオペラ・デビューを果たした旧東京音楽大学奏楽堂にて実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、特に受容と録音分析に着目して研究を進めていたが、2022年以降、山中湖村教育委員会における三浦環関連事業と関わり、情報のすりあわせを行ってきたことで、三浦に関する調査全般の作業が一気に進んだ。また、2024年4月には山中湖村文化芸術アドバイザーとして三浦環所用ピアノを用いたコンサートやふれ合いイベントの企画に携わることになったこと、2021年に発見した《冬の旅》の録音に基づく演奏会の実施が決まったことなど、研究成果を一般に還元する機会が予想を上回る形で増えることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、前年度に引き続き《冬の旅》第17~24曲までをまとめた紀要論文を投稿予定である。また、三浦環の歌唱と録音についての一般向け講演を、2024年8月24日(土)山中湖村徳富蘇峰館にて予定している。三浦の演奏史全般と受容史については、国内外のデータベースで未確認の資料が大量にある他、三浦環研究で著名な田辺久之氏が遺された調査データが未整理の状態で残っている。こうした資料の分析を続け、現在三浦の演奏史データベース構築に取り組んでいる山中湖村教育委員会とも連携しながら、情報の整理に取り組みたい。
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