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3Dスキャンを用いた銅人形に関する研究―江戸時代医学公教育の考証と折衷を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20K12905
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
研究機関北里大学

研究代表者

加畑 聡子  北里大学, 薬学部, その他 (20649339)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード銅人形 / 経穴学 / 考証 / 折衷 / 江戸時代 / 江戸医学館 / 山崎宗運 / 3Dスキャン
研究開始時の研究の概要

江戸幕府直轄の医学校・江戸医学館は、当時の医学公教育を担う一方、考証学派として数々の業績を残したことで知られ、その学問の特質と見られる“考証”と“折衷”が、経穴学教材・銅人形に体現されている。そこで本研究では、江戸医学館教諭・山崎宗運が製作した銅人形(東京国立博物館所蔵)ならびに全国各地の銅人形について調査し、3Dスキャンを活用して科学的に検証することで、当該時期における考証学の総合把握を試みる。

研究実績の概要

本研究は、江戸時代に 経穴学教材として用いられた銅人形について、3Dスキャンを活用して科学的に検証することを目的として、銅人形研究と考証学研究を主軸として調査を進めている。中でも、寛政3年に官立された幕府直轄の医学校 江戸医学館で教諭を務めた山崎宗運(1751-1834)が製作した東京国立博物館所蔵「銅人形」に、 当時における考“考証”と“折衷”が体現されていると見なし、もとは一式として製作されたと推察される「人体解剖模型」と併せた調査を試みている。具体的には、「銅人形」ならびに「人体解剖模型」を、3Dスキャン等の測定器具を活用して科学的に検証することで、「銅人形」が中国大陸からの伝来ではなく、山崎宗運による製作であることを、より確証的に国内外の学界に示すと共に、江戸時代医学公教育形成期の江戸医学館における“考証”と“折衷”の実態についての総合把握に資することが期待される。
2023年度は、「銅人形」研究については、2022年度に入手したCTスキャンデータの不足を補うべく、再撮影を所蔵先に依頼し、新たなデータを入手した。その内容について専門業者と共に検討したところ、やはり直接の調査が必要という結論に至り、現在再調査を依頼している。
考証学研究については、これまでの「銅人形」研究の成果を含めて、「江戸時代にみる日本の鍼灸医学」と題して、(公社)静岡県鍼灸師会主催令和5年度 県民公開講座において講演し、「宮本流経穴学とその伝承」『東アジア伝統医療文化の多角的考察』大形徹(編), 武田時昌(編), 平岡隆二(編), 高井たかね(編)、臨川書店)に寄稿し、考証学派に影響を与えた宮本流経穴学の態様を公開するなど、当時の経穴学における“考証”と“折衷”の意義の啓発に努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

予定していた所蔵先への「銅人形」及び資料の調査がかなわず、補助事業期間延長を余儀なくされたことから、計画よりも進捗が遅れていると自己評価した。所属先の組織再編成の伴う所属変更によるエフォートの低下も遅れが生じた理由の1つと分析している。

今後の研究の推進方策

所期の「医学公教育形成期の江戸医学館における“考証”と“折衷”」の態様を明らかにすべく、銅人形研究と考証学研究を主軸としつつ、研究全体の有機的連関に配慮して進め、「銅人形」の実地調査を試みる。また、公開されている電子資料や購入した文献を活用した調査を併せて進めることで、挽回できるものと考えている。画像情報や文献調査により得られた知見については、引き続き、口頭及び論文等にて発表していく予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本鍼灸医学史考 第2回:漢方の三大古典について2023

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 雑誌名

      鍼灸医学

      巻: 51 ページ: 33-44

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本鍼灸医学史考 第1回:中国医学の成立2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 雑誌名

      鍼灸医学

      巻: 50 ページ: 33-43

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 江戸時代考証学派による医学校の設立2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 雑誌名

      季刊内経

      巻: 229 ページ: 4-22

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本鍼灸史 Part4 江戸時代の鍼灸医学史 後編2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 雑誌名

      北米東洋医学雑誌

      巻: 28

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 本号の表紙絵2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 雑誌名

      日本医史学雑誌

      巻: 68 ページ: 3-3

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本鍼灸史 Part4 江戸時代の鍼灸医学史 前編2021

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 雑誌名

      北米東洋医学雑誌

      巻: 27

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 山崎宗運の『天聖銅人シュ穴鍼灸図経彙攷』に見える加筆について2020

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 雑誌名

      伝統鍼灸

      巻: 47 ページ: 146-162

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 「新出の『挨穴輯要』について」2023

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      第123回日本医史学会総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「『叢桂亭医事小言』にみる原南陽の灸治」2023

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      第73回日本東洋医学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「江戸時代における「薫臍法」についての一考察」2023

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      第51回日本伝統鍼灸学会学術大会・総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「江戸時代経穴学における考証」2023

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      江戸時代考証学派顕彰会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 饗庭東庵門下の伝承についての一考察2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      日本医史学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 堀流経穴学派の取穴法について ―十二支号と通字号を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      日本東洋医学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 新出の『兪穴捷径』に見える書き入れについて2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      日本伝統鍼灸学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 江戸時代鍼灸医学史 ー幕府周辺の医学諸派を中心にー2022

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      公益財団法人杉山検校遺徳顕彰会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 新出の西村流『家伝鍼灸秘録』について2021

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      第122回日本医史学会総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 『素問』金匱真言論に見える背腹陰陽の解釈について-多紀元簡を中心として-2021

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      日本東洋医学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 西村流秘伝書についての一考察2021

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      第8回鍼灸医学史研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 宮本春仙の経穴学とその伝承についての一考察2021

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      日本伝統鍼灸学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 江戸時代医学公教育を取り巻く経穴学派の諸相2021

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      京都大学人文科学研究所「日本鍼灸医術の形成」班研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 石川元混撰『灸穴図解』に見る漢蘭折衷2020

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      第121回日本医史学会総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 東京国立博物館蔵「銅人形」調査報告2020

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子・周防一平
    • 学会等名
      全日本鍼灸学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 江戸時代の経穴学にみる考証と折衷―小坂元祐と山崎宗運を事例に2020

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      日本医史学会例会 富士川游学術奨励賞受賞記念講演
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 日中銅人論争のゆくえ2020

    • 著者名/発表者名
      加畑聡子
    • 学会等名
      2020年度日本内経医学会新年発表会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 『東アジア伝統医療文化の多角的考察』2024

    • 著者名/発表者名
      大形徹(編), 武田時昌(編), 平岡隆二(編), 高井たかね(編)
    • 総ページ数
      424
    • 出版者
      臨川書店
    • ISBN
      9784653045762
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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