研究課題/領域番号 |
20K12908
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 日本大学短期大学部 (2020-2021) |
研究代表者 |
安西 なつめ 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 助教 (10768576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 医学史 / 科学史 / 17世紀 / 初期近代 / トマス・バルトリン / デンマーク / 神聖ローマ帝国 / 雑誌創刊 / 学術雑誌 / 自然学 / 解剖学 / 医史学 / ニコラウス・ステノ / アカデミー / ドイツ / 雑誌 |
研究開始時の研究の概要 |
17世紀西洋において、医学自然学分野の雑誌がどのような背景と経緯、目的によって創刊されたかを、資料の分析と比較を通して解明する。主な資料として、1670年にドイツで創刊された雑誌『医学自然学報』(1670-)の一部と、1673年にデンマークで創刊された『コペンハーゲンの医学・哲学紀要』(1673-1680)を用いる。両資料に収録された論考の主題や執筆者をデータベース化し、比較して両資料の性質を確認する。また、収録された医学関係の論考を抽出して相互の影響を実証的に検証することで、17世紀の知識体系に雑誌が果たした役割を考察する。
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研究成果の概要 |
17世紀に神聖ローマ帝国で創刊された『医学自然学報』(1670-)と、デンマークで創刊された『コペンハーゲンの医学・哲学紀要』(1673-1680)を主資料として、雑誌に掲載された論考の主題や著者等をデータベース化し、比較、分析した。またフランスの『ジュルナル・デ・サヴァン』(1665-)とイギリスの『フィロソフィカル・トランザクションズ』(1665-)を加えた4誌間で論考の主題と著者の変遷等を比較し、雑誌間の引用・転載状況を確認した。本研究を通し『医学自然学報』および『コペンハーゲンの医学・哲学紀要』創刊の意義を指摘した上、両雑誌の医学-自然学雑誌としての先駆性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、17世紀後半に創刊された『医学自然学報』と『コペンハーゲンの医学・哲学紀要』との関連および両雑誌が以降の学術の展開に与えた影響を明らかにし、両国における雑誌創刊の経緯と意義を指摘することができた。 同時期に異なる国で刊行された雑誌の相違や影響を実証的に検証したことは、複数の国や地域にわたる学術上のネットワークにおいて、情報の公開および利用がどのようになされてきたかを明らかにするものであり、この点で近代の知識体系に雑誌が果たした役割について新たな知見を提供するものと考えられる。
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