研究課題/領域番号 |
20K12914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
畑 有紀 新潟大学, 日本酒学センター, 特任助教 (60768422)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 酒茶論 / 酒餅 / 近世文芸 / 中世文芸 / 薬酒 / 菊酒 / 食文化史 / 黄表紙 / 絵巻 / 浮世絵版画 / 稲作 / 酒造り / 図像化 / 草双紙 / 米の文芸表現 / 酒の文芸表現 / 食文化 / 絵入り文芸 / 料理書 / 本草書 / 近世文化 / 文芸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、絵巻、奈良絵本、仮名草子、草双紙および浮世絵版画を含む絵入り文芸を対象とし、文芸に描かれた食物の分析を通じて、近世期の文芸創出の様相を明らかにするものである。具体的には、上記した文芸の中の食物を調査、抽出し、それらを同定した上で、料理書、儀礼書、本草書など、同時代の食文化関連資料による注釈を加える。その上で、調理方法、儀礼上の意味、人体への影響など、当時の人々の生活の中での意味合いを検討することで、各文芸に描かれた「食」を歴史、思想、社会、科学といった多角的な視点から考察する。このように、文芸を通し「食」の持つ多様な文化的側面とその相互関係を論じることで、近世の文芸の生成を追究する。
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研究実績の概要 |
本研究は、絵巻、奈良絵本、仮名草子、草双紙、および浮世絵版画を含む絵入り文芸を主たる対象とし、文芸に表現された「食」の分析を通じて、近世期の文芸の創出を明らかにするものである。具体的には、文芸に描かれた「食」について、料理書、儀礼書、本草書など、近世期の食文化関連資料を用いて注釈を加えた上で、その背景にある実際の食生活との同異を検証し、その変容を探る。 本年度は、中世後期から近世初期に作成された「酒茶論」および「酒餅(論)」を中心に、翻刻や語釈を行うことで、酒に関する表現・修辞の方法を分析し、考察を加えた。このうち一部については、資料紹介として学会誌に掲載された。また、ここまで精力的に分析対象としてきた酒に関して、本研究のように近世文芸を題材とするのみならず、仏教文化、歴史学、経営学など、人文・社会科学領域において、さまざまな方法で日本の社会や人々の生活における酒の意義・価値について問う研究がなされている。これらの研究領域を超え、酒を取り上げる異分野での研究との連携を図るべく、研究集会を実施した。 加えて、酒類に食材等を浸漬して造る薬酒の研究も継続して行った。本年度は、酒に菊花を浸す「菊酒」ついて近世の文献調査を行い、その結果として得られた製法と効能を基に、細胞での実験を実施した。これによって導き出された、近世の薬酒を通じた酒の健康利用の実態とその文化について、学会での口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究集会実施の準備や、他の共同研究プロジェクトとの同時進行により、資料調査とその分析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施期間を1年延長した。本年度に引き続き、次年度には絵巻、絵入り本など、中世後期から近世初期にかけての資料調査に注力する。
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