研究課題/領域番号 |
20K12917
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
服部 温子 奈良女子大学, 大学院人間文化総合科学研究科, 博士研究員 (60790194)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 芭蕉 / 蕉風俳諧 / 蓼太 / 荘丹 / 芭蕉発句 / 近世日本文学 / 俳諧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近世中期に関東を中心に絶大な支持を集めた俳諧宗匠蓼太の手になる芭蕉発句の注釈書『芭蕉句解』(宝暦9年=1759)と、その『芭蕉句解』を増補訂正するかたちで蓼太の弟子荘丹が著した注釈書『芭蕉句解参考』(文化4年=1807)の分析を通して、近世期における蕉風俳諧受容の一端を明らかにしようとするものである。 生前には一俳諧師でしかなかった芭蕉だが、時代を経るほどに地位を高め、近世中期には絶対的な存在として仰がれるまでに至る。多くの俳諧師のなかで、なぜ芭蕉だけが飛び抜けて高い評価を得たのか。近世中期の俳人たちが模範とした芭蕉および蕉風俳諧とは何なのか。それを古注釈の分析を通して明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、蓼太が著した芭蕉発句の注釈書『芭蕉句解』(宝暦9年刊)と、その『芭蕉句解』を増補・訂正するかたちで蓼太の弟子である荘丹が著した注釈書『芭蕉句解参考』(文化4年刊)の分析を通して、近世期における蕉風俳諧受容の一端を明らかにすることにある。 生前には一俳諧師でしかなかった芭蕉だが、時代を経るほどに地位を高め、蕉風復興が叫ばれた近世中期には絶対的な存在として仰がれるまでに至る。多くの俳諧師がいたなかで、なぜ芭蕉と蕉風俳諧だけが飛び抜けて高い評価を得たのか。近世中期の俳人たちが模範とした芭蕉と蕉風俳諧とは何なのか。本研究では、それを古注釈の分析を通して明らかにすることを試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蓼太・荘丹の生きた近世中期は、蕉風復興期として近年注目されている時代である。本研究で蓼太・荘丹の芭蕉観を明らかにできれば、これら近世中期の俳諧および俳壇の研究をさらに推し進める一助となると考えられる。 また、古注釈を対象とした研究は、和歌・連歌では積極的に行われているが、俳諧では、これまでほとんど研究に活かされてこなかった。しかし、古注釈は当時の人々がその作家や作品をどう捉えているかを知るには有効な資料となるはずであり、古注釈を研究すればこれまでの現代の視点からの芭蕉研究・蕉風俳諧研究では指摘されてこなかった新しい芭蕉および蕉風俳諧の特徴が見えてくる可能性がある。
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