研究課題/領域番号 |
20K12919
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
大塚 誠也 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (90838161)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 平安時代文学 / 和歌 / 私家集 / 歌人研究 / 日本文学 / 平安文学 / 中古文学 / 歌人 / 祐子内親王家紀伊 / 摂関期 / 院政期 / 紀伊 / 平安私家集 / 女房 / 歌壇 |
研究開始時の研究の概要 |
紀伊という女性は、平安時代の摂関末期と院政前期にまたがって活動した歌人である。紀伊は後世『小倉百人一首』にも選ばれ、歌集も現存している。しかし活動時期が歌壇の過渡期にあたるため、摂関末期、院政前期いずれの領域においても研究が不十分であった。本研究は『祐子内親王家紀伊集』並びに紀伊に対して、注釈、人的交流、文芸史という観点からアプローチする。研究の目的として、『祐子内親王家紀伊集』の校訂及び注釈、 紀伊の人的交流の解明と同時代における位置づけ、摂関末期と院政前期の文芸史の捉え直しを設定する。
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研究成果の概要 |
平安時代の女性歌人・祐子内親王家紀伊を中心として、摂関期から院政期へ移行する時代の文芸活動を究明した。紀伊については、親族や文芸の交友圏について、旧説の誤りや見落としを指摘しつつ、母子二代の歌人、琵琶弾き等の新見を提示した。 また紀伊周辺の文芸活動について成果をあげた。同所属侍女・菅原孝標女が、『更級日記』で私家集の表現内容を多く摂取していたことなどを指摘した。他に下野や橘為仲といった同時代の歌人が『万葉集』や漢詩の表現を用いて交流していたことを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平安文学研究において摂関期と院政期は個別に研究されがちであったが、紀伊という存在を端緒としてその移行や継承の様相が明らかになった。従来論文数が少なかった歌人や私家集にフォーカスがあたり、交流の具体相が明らかになったことも同様に意義深い。 また紀伊は『小倉百人一首』72番の歌人である。紀伊に関する基礎的な伝記研究の成果は、一般社会の教育活動や文化活動にも有益な効果をもたらすものである。
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