研究課題/領域番号 |
20K12922
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 群馬県立女子大学 |
研究代表者 |
板野 みずえ 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (70867001)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中世和歌 / 叙景表現 / 新古今時代 / 京極派 / 新古今和歌集 / 叙景 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は和歌における「叙景」とは何か、という根源的な問いを解き明かそうとするものである。和歌における「叙景」は、「景」と「心」との関係性において説明されることが通例であった(「心物対応構造」)が、一旦この概念を相対化し、ある景の描写がなされるときそこにはどのような意識が働いているのかということを、新古今時代から京極派の和歌までを対象に、一首一首の正確な読解の蓄積により明らかにしていきたい。
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研究成果の概要 |
本研究では、新古今時代の和歌に見られる個別の「叙景」意識を分析することで、新古今歌人の和歌において「景」がどのような機能を果たしているのか、そしてそのとき「心」はどのような形で存在しているのかということについて検討を進めるとともに、「叙景」の定義も再検討し、「叙景」という観点から中世和歌史を書き換えた。 具体的な表現分析を積み重ねた結果、新古今時代には「景」と「心」との乖離が生じ始めていること、この傾向が突き詰められて、京極派に至って「景」と「心」が等価の、別個のものとして歌われるようになったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「叙景」という新たな切り口から和歌史を書き換えたこの研究成果は、先行研究の蓄積によって形作られてきた和歌史を今一度相対化することに寄与した。また、和歌本文に即した表現研究が乏しい昨今の和歌研究において、客観的な表現論を積み重ねて大きな見取り図を提示したことには意義があると考える。
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