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ライトノベルから見た現代日本の「文学」の変容/再編に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K12927
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02010:日本文学関連
研究機関目白大学

研究代表者

山中 智省  目白大学, 人間学部, 専任講師 (10742851)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
キーワードライトノベル / 出版メディア / メディア史 / 文庫 / 小説 / メディアミックス / 聖地巡礼 / コンテンツツーリズム / 小説投稿サイト / マンガ / アニメ / ゲーム / SF / 現代日本文学 / サブカルチャー
研究開始時の研究の概要

本研究は、日本の若年層向けエンターテインメント小説の一つであるライトノベルを、「若年層の読者たちを戦略的に獲得することを企図した出版メディア」と捉えた上で、その段階的な発展過程を、メディア論的視座を重視した文化研究の立場から実証的に探っていく。また、以上の調査・分析を通して、ライトノベルがもたらした小説や物語の受容・創作のあり方、ならびに若年層の文学・読書能力や教養の形成状況などを包括的に捉えつつ、現代日本の「文学」に生じた変容/再編の具体相を明らかにする。

研究実績の概要

2023年度に実施した研究は、①萌芽・誕生期(1970~80年代)、確立期(1990~2000年代)、成熟・拡大期(2010年代)に関する追加の調査・分析と全期間を交えた総括、②ライトノベルから見た「文学」の変容/再編の具体相に関する考察、の2点である。
萌芽・誕生期から確立期までの研究成果については、②の内容を含めつつ、博士論文「ライトノベルのメディア史―若年層読者の獲得戦略が生んだ出版メディアと小説の変容」としてまとめ、東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科に提出した。また、博士論文の内容に成熟・拡大期の研究成果を加える形で、講演会「ライトノベル入門講座―若い読者を小説に誘う“ビジュアル・エンターテインメント”の世界―」を中野区立上高田図書館にて行うとともに、同図書館とのコラボレーション企画として目白大学新宿図書館では、企画展示「若い読者を、小説の世界へ。―文庫本の歴史から辿るライトノベルの誕生と発展―」を開催した。そして、これらの取り組みを通じて本研究の総括を試みる一方、その成果をより広い社会に公開・還元することに努めた。他方では、萌芽・誕生期に関する追加の調査・分析として、1984年に講談社が創刊した若年層向け文庫レーベルの講談社X文庫と、サブレーベルであるティーンズハート(87年創刊)とホワイトハート(91年創刊)の全体像を把握することを試み、その成果を踏まえて、日本出版学会2023年度秋季研究発表会にて個人研究発表を行った。また、成熟・拡大期の様相については、裕夢(著)raemz(イラスト)『千歳くんはラムネ瓶のなか』(ガガガ文庫、2019年~)と福井県福井市のコラボ企画「チラムネ福井コラボ」(2021年~)を対象に、過去2回の関連発表(2022年10月・同年12月)を前提としつつ、コンテンツ文化史学会2023年度例会にて総括的な個人研究発表を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、研究成果の発表を着実に進めることができた一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けた進捗の遅れにより、萌芽・誕生期(1970~80年代)、確立期(1990~2000年代)、成熟・拡大期(2010年代)の全期間を交えた総括と、ライトノベルから見た「文学」の変容/再編の具体相に関する考察とが今なお着手中の状態にあり、論文投稿が必要な研究成果も一部残されることとなった。そのため、現在までの進捗状況は「やや遅れている」と判断される。なお、進捗の遅れをリカバリーするための時間確保と本研究の目的完遂のため、科研費補助事業期間の延長申請を行い、さらに1年間の延長承認を得た。

今後の研究の推進方策

2024年度は、萌芽・誕生期(1970~80年代)、確立期(1990~2000年代)、成熟・拡大期(2010年代)の全期間を交えた総括と、ライトノベルから見た「文学」の変容/再編の具体相に関する考察の完遂を念頭に、引き続き研究活動を進めていく。研究成果の発表については、所属する学会での報告に加え、大学紀要や学会誌などへの論文投稿により、順次行っていく予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ライトノベルという出版メディアの確立― 一九九〇年代の電撃文庫の様相から―2023

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 雑誌名

      目白大学人文学研究

      巻: 19 ページ: 1-19

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ライトノベル」が生まれた場所―朝日ソノラマとソノラマ文庫2022

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 雑誌名

      出版研究

      巻: 52 ページ: 1-24

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ライトノベルツーリズムが担う“ビジュアル・エンターテインメント”の補強と拡張―『千歳くんはラムネ瓶のなか』×「チラムネ福井コラボ」の事例から―2023

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 学会等名
      コンテンツ文化史学会2023年度例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 講談社X文庫が見せた作家・作品展開のグラデーション―“ライトノベルのメディア史”における位置づけの再検証2023

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 学会等名
      日本出版学会 2023年度秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「物語の解像度」を高めるラノベ聖地巡礼の現在―『千歳くんはラムネ瓶のなか』と「チラムネ福井コラボ」―2022

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 学会等名
      コンテンツ文化史学会2022年度例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 兵田印刷工芸が支えるラノベ聖地巡礼とコラボ企画―「チラムネ福井コラボ」のこれまでとこれから2022

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 学会等名
      日本出版学会 2022年度秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ライトノベルという出版メディアの確立―1990年代の電撃文庫の様相から2021

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 学会等名
      コンテンツ文化史学会2021年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「ライトノベルの一源流」としてのソノラマ文庫―メディア史的アプローチからの再検証2020

    • 著者名/発表者名
      山中智省
    • 学会等名
      日本出版学会2020年度春秋合同研究発表会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] ソーシャルメディア・スタディーズ2021

    • 著者名/発表者名
      松井広志・岡本健編著
    • 総ページ数
      152
    • 出版者
      北樹出版
    • ISBN
      9784779306617
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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