研究課題/領域番号 |
20K12934
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
久留島 元 京都精華大学, その他の部局, 講師 (50830444)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 怪異説話 / 近世説話 / 中世 / 古浄瑠璃 / 天狗 / 戦国時代 / 絵巻 / 武辺咄 / 伝承 / 説話 / 16世紀 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では中世文学研究においても近世文学研究においても過渡的と見なされて分析が遅れてきた16・17世紀における説話関連資料を対象として、「怪異説話」を分析する。芸能資料、絵巻、地誌、怪談集、仮名草子など説話を利用する近世資料の調査と分析を進める。具体的には、愛宕山の寺社縁起にもとづく古浄瑠璃「あたごの本地」、および戦国期の説話集『義残後覚』を中心に、資料の成立した16・17世紀の歴史的背景をふまえて考察していく。これにより、近世に刊行された諸ジャンルにつながる説話の受容と展開を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本課題の目的は、16・17世紀における説話関連資料を対象とした「怪異説話」の整理と分析、体系化である。具体的には、中世文学研究においても近世文学研究においても過渡的と見なされて分析が遅れてきた絵巻、古浄瑠璃正本、戦国期説話集、笑話集などを対象として研究を進める。 これまで本研究では古浄瑠璃「あたごの本地」本文の精読を進め、2021年、2022年に成果を公開した。また、本研究に関係する業績として、『昔物語治聞集』(三弥井書店、2020年10月)、「伏見城 落城の記憶と血天井」『城郭の怪異』(三弥井書店、2021年6月)などにおいて近世説話を分析してきた。 2022年度は①伊藤信博氏、八木智生氏の協力を得て6月に野村美術館蔵『是害房絵』の再調査を行い、その調査報告と翻刻文を野村美術館研究紀要に公開した。②古浄瑠璃「あたごの本地」読解の成果をふまえ、京都愛宕研究会20周年記念大会(2022年11月26日)において講演「古浄瑠璃『あたごの本地』と愛宕信仰」を行った。③神戸説話研究会編『世継物語注解』(和泉書院、2023年)執筆に加わった。 また研究論文ではないが、ウェブサイト「セクト・ポクリット」(https://sectpoclit.com/)において「久留島元のオバケハイク」の連載を持ち、近世俳諧と怪異伝承の関わりについてわかりやすく解説する文章を公開した。 最終年度となる2023年度は研究を総括する研究集会を企画しており、隣接分野の研究者の協力を得て、16・17世紀における説話研究の可能性を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により基礎作業が遅れ、当初の予定は大きく変更せざるを得なかった。ただし野村美術館蔵『是害房絵』をはじめとする調査報告を進めるなど成果は上がっており、論考や講座の形で成果を公開することもできている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる今年は、総括となる研究会の開催を予定している。研究会開催にあたっては、堤邦彦氏(京都精華大学名誉教授、近世文学)、粂汐里(国文学研究資料館、中世文学)、八木智生氏(同志社大学大学院博士課程、芸能史)らの協力を得て、16・17世紀における説話研究の可能性を明らかにする予定である。
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