研究課題/領域番号 |
20K12946
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
長谷川 真史 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (40706769)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 中国古典文学 / 唐詩 / 楽府 / 唐代伝奇 / 物語 / 元シン[禾+眞] / 唐代の女性 / 元シン〔禾+眞〕 / 唐宋文学 / 唐代伝奇小説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、まず唐代の楽府及び小説を中心的な研究対象とし、物語が「どのような場で語られたか?」「どのような視点から語られたか?」といった観点から内容を分析し、唐宋及び日本における物語の継承と展開の様相を明らかにする。さらに、日中の詩歌及び小説全般に研究対象を広げ、「漢楚の抗争」や『三国志』などの歴史上の物語を題材とする楽府や小説も考察対象としてピックアップし、継承と展開の様相を整理する。そのうえで、唐宋、及び日本文学史において「うた」と「ものがたり」の文学がいかに展開していったかを包括的に考察し、日中文学史を立体的に捉えなおすものである。
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研究実績の概要 |
2022年度『中唐文学会報』に論文「元シン[禾+眞]「何満子歌」と唐代の歌妓について」を投稿した。年度当初の予定として、『九州中国学会報』に投稿予定であったが、論旨の規模を考慮して『中唐文学会報』への投稿に変更した。 当該論文は元シン〔禾+眞〕の楽府「何満子歌」の成立背景を確認し、本文の内容を詳細に検討した。「何満子歌」は、歌妓唐有態の歌う歌曲「何満子」が玄宗朝の音楽技術を継承した優れた歌唱であったことを称え、先人の音楽芸術を正しく伝承することを賛美することにあった点を明らかにした。これは元シン〔禾+眞〕の楽府「琵琶歌」にも共通する主題であり、元シン〔禾+眞〕の音楽を主題とする文学作品の展開の一端を見ることができた。また、表現の面から見ても、「琵琶歌」と類似する音楽描写が多く見られる点も指摘した。 なお、「何満子歌」「琵琶歌」から白居易の「琵琶引」への影響は今後の課題とした。 また、2022年度投稿予定であった「元シン(禾+眞)「古決絶詞」に見える中唐士大夫の恋愛観(予定)」については修正に時間を要するため、投稿は行わなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に比べ、コロナ禍及び業務の集中は緩和したものの、研究時間の確保がやや難航したため。
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今後の研究の推進方策 |
準備中の成果は、国際学会である第九回楽府歌詩国際学術検討会において発表・投稿を行う予定である。本国際学会は8月25日~8月28日にかけて中国河北省承徳市で開催予定である。本学会においては元シン〔禾+眞〕の音楽に関連する物語を主題とする楽府作品について研究発表・論文投稿を行う。本件については既に当該機関より招待を受けている。 また、2022年度投稿予定であった「元シン(禾+眞)「古決絶詞」に見える中唐士大夫の恋愛観(予定)」については修正に時間を要したため、可能であれば今年度の全国漢文教育学会『新しい漢字漢文教育』に投稿を行いたい。 このほか、本研究の総括となる論考をまとめ、九州中国学会『九州中国学会報』(2024年1月)に投稿することを検討している。
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