研究課題/領域番号 |
20K12948
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
笠見 弥生 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (80846436)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 中国文学 / 拍案驚奇 / 二刻拍案驚奇 / 二拍 / 凌濛初 / 白話小説 / 翻案 |
研究開始時の研究の概要 |
凌濛初が編纂した短篇白話小説集「二拍」こと『拍案驚奇』・『二刻拍案驚奇』短篇白話小説集の代表作の一つとみなされる。凌濛初は、科挙受験、著作活動、商業出版、と様々な活動に従事した、明末を象徴するような人物である。そして「二拍」は「中国小説史上初の文人の創作による短篇白話小説集」とも称され、後の文人創作小説の萌芽として小説史上重要な位置を占める作品である。本研究では「二拍」所収作品の原話に着目し、編纂過程を明らかにしていく。それによって「二拍」における凌濛初の功績と反映される思想を浮かび上がらせ、中国における創作小説誕生の経緯と現代中国思想が形作られる過程の一端を詳らかにする。
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研究成果の概要 |
明末の文人凌濛初による短篇白話小説集「二拍」こと『拍案驚奇』及び『二刻拍案驚奇』について、特にその編纂過程に焦点をあてて研究を進めた。凌濛初は「二拍」所収作品において、語り手による語り、韻文、欄外の評点等様々な要素を活用して作品を構成している。物語の筋だけでなく、それらの要素にも着目することで、作者の思想や意図をより明確に読み取ることができる。それを意識しながらテキストの分析を行い、主として『元曲選』及び『亘史』の利用、『二刻拍案驚奇』巻三十の原話の取材源について調査し、凌濛初が「二拍」編纂時に参照した書籍の一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
凌濛初が「二拍」編纂時に多数の書籍を参照し、取捨選択しながら新たな作品を作り上げていった過程の一端を明らかにすることができた。凌濛初が参照した書籍がわかれば、凌濛初がどのように作品を改変したかが明確になり、作品に反映された凌濛初の思想や意図が浮かび上がってくる。更には、凌濛初が参照した書籍から、「二拍」編纂当時の書籍の流通状況や、凌濛初のような文人が手にすることができた書籍の実態も見えてきた。「二拍」にも未解明の部分が残されているほか、同時代の短篇白話小説集についても同様の検討を行う余地があり、更なる成果が期待できる。
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