研究課題/領域番号 |
20K12962
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
宮澤 文雄 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (00749830)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | シカゴ万国博覧会 / 世紀転換期 / アメリカ文学 / 万博体験 / セオドア・ドライサー / ライマン・フランク・ボーム / ラフカディオ・ハーン / シカゴ万博 / ニューオーリンズ万博 / 世紀転換期のアメリカ / 文学的受容 / シカゴ万博博覧会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1893年に開催されたシカゴ万国博覧会に当時のアメリカ作家が少なからず訪れていたことに注目し、世紀転換期のアメリカ文学の形成に同万博が果たした役割を解明するものである。これまで博覧会と文学の関連は、博覧会研究および文学研究においては死角となっていた領域である。しかし実際には、シカゴ万博を体験した作家たちは、万博から受けた影響を様々な形で自作品の中に残している。本研究では、「文学に博覧会はどのように関与するのか」という点を究明するにあたり、世紀転換期のアメリカ作家に見られるシカゴ万博の文学的受容を、作品分析を通じて明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本研究は、1893年に開催されたシカゴ万国博覧会と世紀転換期のアメリカ文学の関係を検証した。19世紀の終わりから20世紀のはじめにかけてのアメリカ小説を対象に、万博というナショナル・イベントは、政治・経済・産業面に大きな影響を与えただけでなく、当時の文学の形成にもかかわる重要な出来事だったことを明らかにした。研究を通じて、シカゴ万博に関係した作家が多かったこと、そのかかわり方が一様でないこと、万博の影響が現代にまで続いていることなど、万博と文学の関係性を幅広く検討することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来の博覧会研究と文学研究の死角となっていた博覧会と文学の結びつきを分野横断的に検討することを通じて、万博小説研究という新たな研究視点を提示することを目指した。これまで伝記的関心にとどまっていた作家の万博体験に注目し、その後に創作された作品のうちとくに万博の影響を受けたものを万博小説とみなし、世紀転換期のアメリカ文学の一つの特徴として位置づけを試みた。また、その影響が20世紀以降の作品にもみられること、博覧会と文学者は創作に限らず多様な関係を持つことを確認し、一研究領域として展開できる可能性を示した。
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