研究課題/領域番号 |
20K12971
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松本 ユキ 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (00734625)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 英語圏文学 / アジア系アメリカ研究 / 移民 / 労働 / ジェンダー / 食 / 物語 / 人種 / 感情 / 環境 / 災害 / アジア系アメリカ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、文学における「食」と「物語」との関係性を探求することである。飢えというテーマは、あらゆる人間に共通する普遍的なものとして描かれてきたが、「食」という日常的営みは文化により異なるものとして捉えられることが多く、あまり文学研究の対象とならなかった。本研究では、現代のアジア系女性作家の文学作品を主な分析対象とし、「食」にまつわる物語がどのように表象され、語られているのかを考察していく。文学という非日常から「食」という日常を再考することにより、現代社会における様々な問題(「エスニックなもの」の商品化やグローバルな労働市場における移民や女性の問題)を多様な視点で読み解いていきたい。
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研究実績の概要 |
本年度はこれまでに学会で発表した報告内容を論文として書き上げることを目標とした。その成果として、共著(「アジア系アメリカ文学における〈天災〉と〈人災〉―ヒサエ・ヤマモトとルース・オゼキの作品を中心に」『終わりの風景―英語圏文学における終末表象』辻和彦・平塚博子・岸野英美編、2022年、春風社)、そして査読付きの学術論文(“Reading A Tale for the Time Being as Post-disaster Literature.” AALA Journal 28, 2022)がある。 2022年度は、フィリピン系アメリカ文学に関する研究に取り組み、学会報告を二件(①「フィリピン系文学の世界―Mia AlvarとLualhati Bautistaを中心に」ミニシンポ「世界文学としてのアジア系(アメリカ)文学」、第146回アジア系アメリカ文学会例会、2月19日(日)、Zoomによる開催、②「『本業』としての母親―Mia Alvarの “In the Country”におけるグローバルな移動とジェンダー労働」日本アメリカ文学会 関西支部例会、2022年11月5日、於京都工芸繊維大学)実施した。それに加え「宗教・食・移民」に関するラウンドテーブル(「宗教・食・移民―トランスローカルな宗教実践の学際的考察―」、南山宗教文化研究所主催、2022年12月13日 オンライン(Zoom)開催)に登壇し、これまでの成果を共有した。2023年度には、これらの報告内容を活字化していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度についても昨年度と同様、研究成果を活字として公表する機会にめぐまれた。新たな研究課題に取り組む時間もある程度確保できたが、それでもこれまでの遅れを完全に取り戻すまでには至っていない。2022年度も残念ながら海外での調査や研究成果の発信等はできなかったが、2023年度にはカナダでの学会報告と現地捜査を実施したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
まず第一の目標としては、2022年度に学会で発表した内容を活字化することである。さらに海外で現地調査を実施したい。所属する学会等においても、国内外の研究者との交流を深める機会を徐々に取り戻していきたいと思っている。
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