研究課題/領域番号 |
20K12972
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 (2021-2022) 近畿大学 (2020) |
研究代表者 |
西野 友一朗 岡山理科大学, 教育学部, 講師 (10845697)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | フルク・グレヴィル / 英文学 / 初期近代 / 初期ステュアート朝 / エリザベス朝 / イギリス・ルネサンス / 英詩 / 戯曲 / ヘンリー・フレデリック・ステュアート / 絶対王政 / 政治思想 / ジェイムズ朝 / イギリス / 英米文学 / 詩 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、英国ルネサンス期の詩人であり政治家であったフルク・グレヴィル(Fulke Greville,1554-1628)の作品研究において、①作品が詩人の伝記的側面から実証主義的に解釈できることを再認識し、②作品に政治批判が内包されていることを明らかにする。本研究では、特にグレヴィルがジェイムズ朝期に執筆した作品に焦点を当て、ジェイムズ1世に対する批判がどのように表現されているかを検証する。作品と国王批判の関係性を分析する際、手書き原稿に残された修正箇所にも着目することで、詩人がどのように意匠を凝らし、暗示的そして間接的にジェイムズを批判しているかを追求する。
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研究成果の概要 |
本研究を通して、これまで初期近代英文学研究において等閑視されてきたフルク・グレヴィルの作品を、詩人の伝記的側面を踏まえながら歴史的文脈において分析し、作品にはジェイムズ1世の政治に対する批判が内包されていることを突き止めることができた。その主要な成果として2件の論文掲載を果たした。1つ目は広島大学に提出した博士論文であり、グレヴィルが初期ステュアート朝における宮廷腐敗を批判していることを指摘した。もう1件はModern Language Reviewに掲載した論文であり、戯曲『ムスタファ』には、夭折したヘンリー皇太子を国王ジェイムズが殺害したという噂が反映されていることを分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって得られた成果は、まず国内外において等閑視されてきたフルク・グレヴィルの作品研究を、先行研究をまとめた上で、新たな解釈を実証主義的に提示できたという点で、学術的な価値が大きい。特にこれまでのグレヴィルの作品分析の多くは、作品の形式や他の同時代の詩人の作品との関係性などに注目したものが多かった。本研究では作品をグレヴィルの伝記的側面と手書き原稿の両方から分析したことで、作品が書かれた年代や背景を絞り込むことができた。それによって、初期ステュアート朝の政治批判が作品の中で展開されていることを突き止め、グレヴィルの作品が政治的文脈からも解釈できることを提示できた。
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