研究課題/領域番号 |
20K12975
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
岩崎 雅之 福岡大学, 人文学部, 准教授 (00706640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | E. M. フォースター / ヴァージニア・ウルフ / モダニズム / ブルームズベリー・グループ / バイオフィクション / ポストモダニズム / ヘリテージ映画 / メタモダニズム / E. M. Forster / Virginia Woolf / Bloomsbury Group / Empahty / Modernism / Metamodernism / The Hours / Howards End / Zadie Smith / Ian McEwan / イギリス小説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現代英米小説におけるモダニズムの遺産を明らかにするために、先行研究では論じられてこなかったE. M. ForsterとVirginia Woolfの作品、また両者が属していた前衛主義的芸術家集団であったBloomsbury Groupの生み出した所産の諸相を、個と集団の相互作用という観点から包括的に論じるものである。モダニズムという用語の時間的・空間的区分を批判的に検討しながら、彼らの作品における他者との同一化、および自他の差異の発見を現代小説の文脈に位置付けるため、メタモダニズムや共感研究の理論を援用することを予定している。
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研究成果の概要 |
モダニズム復興作品における重要な特徴として、作者本人とその作品が同性愛者である主人公の自己形成を促すという点がある。E. M. Forsterの場合、The InheritanceやAlecにおいて、彼は登場人物の一人であるMorganとして登場し、彼の著した Mauriceが作中で主人公たちの自己実現を介助する。同様の事例はVirginia Woolfの場合にも見られた。また、これらバイオフィクションでは、アメリカが理想の地として設定されていることも明らかになった。バイオフィクションは、旧来の家族像を問い直すものであり、それは同性間のパートナーシップに象徴される新たな人間関係の構築を図る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モダニズム期以来のおよそ100年にわたる英語圏文学において、翻案がどのように行われてきたのかということを明らかにしたので、作品間のつながりを理解するための新たな視座を提案することができたと言える。また、昨今ひろく議論されている多様性というものが、これらの作品においてどのように表象されているのかも明らかにしたので、この成果が社会に還元されれば、さらに多くの社会的議論が生まれることを期待することができる。
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