研究課題/領域番号 |
20K12979
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2023) 埼玉大学 (2020) |
研究代表者 |
古宮 路子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (00733023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ロシア・アヴァンギャルド / レフ / ポスト革命期 / マヤコフスキー / トレチヤコフ / ファクトの文学 / プロレタリア文学 / モダニズム / リアリズム / 生成論 / マルクス主義文芸批評 / 未来派 / ロシア文学史 / ヴォロンスキー / ラップ / 文学史 / マルクス主義美学 / 文学理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ロシア・アヴァンギャルドの文学、特に散文ジャンルの発展プロセスを明らかにするものである。散文をめぐる活動は「レフ」グループを中心に展開されたが、それは試行錯誤の連続であった。本研究はその推移のダイナミズムを追う。検証の際には、文学史と美学という2つの立場から対象に取り組む。そして、レフの散文に影響を与えた、ソ連文壇における諸派閥間の抗争の歴史や、フォルマリズム、マルクス主義、生産主義といった芸術理論という諸要因に照らして考察する。総括として、1920年代のソ連文学全体の底流にあった美意識をトータルに解明し、後の社会主義リアリズム成立への影響関係まで解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、1920年代のロシア・アヴァンギャルドの文学を、①詩的散文、②パロディー散文、③ファクトの文学、の3局面に分けて研究するものである。研究成果は、国内外の学術誌、論集、学会等で発表した。代表的な成果として、①については、詩人クルチョーヌィフの1920年代の動向を調査し、国際学会で報告を行った。②については、レフにおけるパロディー散文の時期に関する論文を、国内の学術誌に掲載した。③については、ファクトの文学の成立プロセスを明らかにする論文を、国際論集にて発表した。また、関連研究者3名をロシアとイスラエルから招聘し、東京大学と北海道大学にて講演会を開催した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロシア・アヴァンギャルドの文学は、日本国内でも盛んに研究が行われてきた。だが、従来の研究は、1910年代の詩の時期に関するものが多く、1920年代に散文が主要なジャンルになったプロセスについては、あまり注目されてこなかった。他方、国際的な研究動向としては、アヴァンギャルドの散文の研究は、ロシアでは文学史研究の枠組みで取り組まれることが多い一方、欧米では文化史や美学との関わりについての研究が行われるという、方法上の乖離が見られる。アヴァンギャルドの散文を、文学史的観点からも文化史的観点からも、ともに問題とする、本研究の成果は、当該研究領域においてロシアと欧米の橋渡しになるという意義を持つ。
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