研究課題/領域番号 |
20K12991
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 中京大学 (2021-2022) 慶應義塾大学 (2020) |
研究代表者 |
学谷 亮 中京大学, 教養教育研究院, 講師 (00801979)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ポール・クローデル / 日仏交流 / フランス詩 / フランス文学 |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀フランスの詩人・劇作家・外交官であるポール・クローデルは、駐日大使として日本に滞在した際の経験を自らの文学の糧としたことで知られる。日本滞在中、クローデルはフランス詩史を批判的に受容しながら自らの作詩理論を体系化したが、作詩理論と日本滞在との影響関係は明らかになっていない。そこで本研究では、日本滞在中に執筆された『フランス語詩句に関する考察と提言』(1925)で体系化されたクローデルの作詩理論が、いかなる知的背景のもとで構築され、その理論が日本滞在中および離日後の創作活動においてどのように応用されたのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、20世紀フランスの詩人・劇作家・外交官であるポール・クローデルが駐日フランス大使として日本に滞在中に発表した詩論『フランス語詩句に関する考察と提言』(1925)において、その作詩理論がクローデルの駐日大使としての日本滞在(1921-1927)中の経験といかなる関係を取り結んでいるのかを明らかにするものである。そのことによって、クローデルの作詩理論を構成する諸概念が、彼がいくつかのテクストで題材にした日本文化から受けた影響を浮き彫りにできた。また、クローデルの詩が大正期の日本の詩人たちからどのように解釈されたのかも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『フランス語詩句に関する考察と提言』は、クローデルが詩のスタイルを大きく変革する時期に書かれたものであり、また近代フランスの主要な詩人(ユゴー、ボードレール、ランボーなど)への言及を数多く含むという点でも、クローデルの詩を理解する上で欠かすことのできないテクストである。しかし、このテクストが日本滞在中に執筆されたという点はこれまでほとんど着目されておらず、本研究はこの詩論と日本との関わりを初めて明らかにしたという学術的意義をもつ。また、当時の日本人がクローデルの詩から受けた影響の一端も解明でき、日本という国に深く根づいたこの詩人の実像により肉薄する契機を作ることができた。
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