研究課題
若手研究
ラフカディオ・ハーンは文筆家であると同時に、フランス語文学の翻訳者であり、教育者でもあった。特に、フランス語文学の英語翻訳はハーンにとって創作の原点であり源泉であった。しかしそれにも関わらず、これまで十全に検証されていない。本研究はハーンによるフランス語文学の英語翻訳を精査し、彼の翻訳活動が彼の創作、及び、異文化理解や多文化共生を目指した彼の教育にどのような影響を及ぼしたかを特定する。そこから、ハーンの翻訳、創作、教育の相互影響関係を明らかにし、各活動を再評価する。
国際シンポジウム・国際学会での発表、海外出張・調査、書籍出版、研究プロジェクト(研究代表)の推進を行なった。7月、日本比較文学会九州支部春季大会シンポジウム「ハーンと漱石――翻訳の視点から」のパネルとして、「漱石のフランス文学――ハーンの英語翻訳に触れながら」を発表した。7月、共編著者として『近代アジアの文学と翻訳』を勉誠出版から出版した。9月第3回 コロナ危機と時間学で新型コロナウィルス感染症と私たちの過去・現在・未来において、「感染症と文学の「過去」「現在」そして「未来」-時間の加速と膠着が交錯する場における、群衆・異文化表象研究-」を発表。10月カリフォルニア州で開催されたJack London Society’s 16th Biennial Symposium(Nippon and Jack London:Yoshimatsu Nakata, His Newly Discovered Diaries, and How the Japanese Influenced the Author)において"Nakata Yoshimatsu and His Cultural Background" を発表し、様々な国の研究者と交流し情報交換をした。10月、上海で開催された国際芥川龍之介学会で「芥川龍之介のフランス小説翻訳」を発表した。11月、山口大学時間学研究所の「コロナ危機と時間学」成果報告シンポジウムで発表。3月、分担執筆したPracticing Japan 35 years of Japanese Studies in Poznan and KrakowがPoznan:Wydanie Iから出版。山口大学研究推進体「人と移動研究推進体」研究プロジェクト(研究代表)を通じて当研究 の進行・深化に邁進した。
2: おおむね順調に進展している
研究成果を国際学会・シンポジウムや2冊の書籍で発表することができた。ハーンの翻訳についての検討は着実に進めているが、調査検討に想定以上に時間がかかっている。
研究成果をもとにした出版計画を順調に進めていきたい。今年度に引き続き、山口大学時間学研究所における研究プロジェクト、山口大学研究推進体「人と移動研究推進体」研究プロジェクトを通じた様々な分野の研究者との交流や、ラフカディオ・ハーン研究者、国際芥川龍之介学会会員やジャックロンドン研究者との交流を通じて、本研究を進めていく予定である。残念なことに、研究・教育労働環境の安全を確保できない状況下におかれ続けており、研究活動に支障をきたし続けているが、この点の問題解決をサポートを受けながら速やかに進めいく。
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山口学研究
巻: 3 ページ: 8-14
巻: 2 ページ: 17-20
Journal of East Asian Identities
巻: 6 ページ: 45-54