研究課題/領域番号 |
20K12999
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 三重大学 (2022-2023) 東北大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
高橋 美穂 三重大学, 人文学部, 准教授 (40787610)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ドイツ語 / 日本語 / 使役 / 構文的意味 / 語彙的意味 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、使役に関わる日独語の諸構文の対照研究により、言語間に通底する態の交替現象の原理を明らかにすることを目的とする。研究実施期間を通して、ドイツ語の使役・反使役動詞に見られる対象(モノ)の存在論に関わる意味対立―「存在の消滅」対「存在の持続」―が日本語のどのような変化動詞で認められるのかを検証し、さらに、語彙的意味が使役をめぐる諸構文の意味解釈、とりわけ構文の副次的意味の創発においてどのように作用するのかを究明する。
|
研究成果の概要 |
本研究課題は、使役に関わる日独語の諸構文の対照研究により、言語間に通底する態の交替現象の原理を明らかにすることを目的とするものである。この目的のもと、使役と経験という両義的な解釈が可能なドイツ語と日本語の構文を対象に、構文の意味解釈のメカニズムを究明した。動詞の語彙的意味が構文の本来的意味あるいは副次的意味の創発にどのように作用するのかを探ることで、日独語のヴァレンス拡大現象で認められる共通の意味論的基盤を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
事態の引き起こし手である「使役主」がどのように符号化され、また読み込まれるかという対照言語学的・類型論的観点から取り上げられる問題について、ドイツ語と日本語の使役に関わる諸構文を例に、構文の意味解釈に対する動詞の語彙的意味の作用および動詞の意味論に基づく語用論的推論の働きの一端を明らかにした。日独語の態の交替現象について、個体と事象との間の広義の所有関係(人による「事象の所有」)というアプローチが妥当することを示した。
|