研究課題/領域番号 |
20K13003
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
齋藤 広明 三重大学, 高等教育デザイン・推進機構, 特任講師(教育担当) (00849044)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 生成文法 / 文法化 / 発話動詞 / 補文標識 / 統語論 / 言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生成文法の枠組みで、発話動詞の文法化の分析を試みる。文法化は、記述文法や歴史言語学においては中心的研究課題であるが、生成文法においては共時的研究と比較し、あまり多くの注目を浴びてこなかった。本研究は、文法化の研究とは異なる分野で提唱されている「ルートと範疇の分離」という仮説に基づき、生成文法における新たな文法化の分析を提案する。本研究は、文法化の形式的分析という点から、記述文法の知見を生成文法の理論発展へ還元することを目指し、言語学一般では中心的課題とされながらも生成文法では総括的な研究が行われていない、「言語はどのように、またなぜ変化するのか」という問いの解明を目指すものである。
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研究成果の概要 |
生成文法の枠組みにおける文法化現象(動詞や名詞といった語彙範疇に属する語が機能的・文法的な要素へと発達する通時的変化)の理論的研究に貢献した。本研究は、発話動詞の文法化に着目しながら、これまでの生成文法における文法化分析では扱うことのできなかった文法化のパターンを分析し、それらを網羅する分析を新たに提案した。加えて、形態論研究で提案された「ルートと範疇の分離」という仮説を文法化の分析に用いることで、この仮説の応用可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「文法化」というテーマは、記述文法・歴史言語学では最も研究されている課題の一つであるにもかかわらず(Hopper and Traugott 1993等を参照)、生成文法においては限られた数の研究があるのみである。したがって、記述文法の文法化に関する知見は、生成文法の理論的発展には活かしきれていないという現状があった。そのような生成文法において扱われていない記述文法の知見を生成文法研究の発展に還元したという点が、本研究の特筆すべき学術的意義として挙げられる。
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