研究課題/領域番号 |
20K13004
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
于 一楽 滋賀大学, 教育学系, 教授 (80710251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 飲食動詞 / affected agent / placeholders / 項の具現化 / レキシコン研究 / 語彙意味論 / 動詞研究 / 項の具現 / クオリア構造 / 複合動詞 / 非典型的目的語 / レキシコン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主語と目的語にどのような名詞が現れうるのかという研究課題に取り組むものである。具体的には、次の4つの疑問を中心課題として設定している。①主語に現れるはずの動作主(動作を意図的に行うもの)が文中に現れないことを誘発する原因は何か。②主語に現れるはずの動作主が目的語に現れることを誘発する原因は何か。③場所や道具を表す名詞が目的語や主語に現れることを誘発する原因は何か。④非典型的な項の具現が可能な構文に共通する制約は何か。動詞の概念的な意味の構造を考える語彙概念構造と、名詞にまつわる百科事典的意味を取り入れた意味構造の考察が、これらの疑問を解決できると考えている。
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研究実績の概要 |
本年度は予定されている最終年度の前の年度にあたる。当初の予定では、前年より続けてきた資料調査や予備研究などの成果について発表を行うことが盛り込まれていた。資料調査に関しては、まだコロナ禍の影響を受ける段階にあり、予定よりは進められなかった。そのなかでも国内出張をいくつか行うことができたことは成果の1つである。そして、それらの成果の公開ということで、学会発表を2件行った。これに加えて、論文を4本刊行したことが、研究実績として挙げられる。 実績の詳細については以下のとおりである。まず、海外の研究機関の教員を含めた共同研究の成果として、日本語と韓国語と中国語のPlaceholdersにまつわる現象について、考察したものがある。whを含めたplaceholdersが単独でつかわれる場合やdoublingでつかわれる場合などについて比較検討を行ったが、この3つの言語で比較検討した研究はあまりないため、新鮮であったと思われる。そのほか、中国語の飲食動詞がつかわれる構文にaffected agentという概念がどのようにかかわるのかについて、考察したものがある。この研究では、英語ではあまり使用することのできない構文のパターンが中国語に複数存在することを指摘し、そしてそれらの構文を理解する共通点として、affected agentという概念が根底にあるのではないかという考察を行った。このほか、ことばの教育の視点を取り入れた論文も刊行している。 学会発表はどちらも共同研究である。1つは「一周回って」という表現がどのようにつかわれているのかについて調査したもので、Proceedingsに掲載された。もう1つは「逆に」と比較して「一周回って」がどのようにつかわれているかについて調査したものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内出張ができるようになったこともあり、前年度まで遅れていた研究を進めることができたこと、そして、学会での発表や論文の刊行もできたことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、これまでの研究内容を精査し、論文や学会発表の形で公開していく予定である。 海外での学会にも行きやすくなったので、より広く研究内容を公開できることが見込まれる。
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