研究課題/領域番号 |
20K13008
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
有井 巴 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 講師 (00848236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 母語獲得 / 文処理 / 二重目的語構文 / 情報構造 / 言語理解 / 語順 / 言語情報 / 老化 / かき混ぜ文 / 比較構文 / 心理言語学 / 言語獲得 / 日本語 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語児は「太郎を花子が押した」のようなかき混ぜ文を、“太郎が花子を押した”の基本語順に誤って解釈する。先行研究によると、日本語児はかき混ぜの操作や格助詞の知識が欠けている訳ではなく、基本語順に対する強いバイアスから誤った解釈をする。本研究は、日本語児のリアルタイムの文処理過程を調べ、かき混ぜ文の誤解釈の原因を特定する。具体的には、(A)道具格を含む他動詞構文 (B)比較構文のかき混ぜ文(「スプーンを鉛筆で叩く」「スプーンより歯ブラシは長い」)の文処理を調べ、基本語順に対するバイアスがどの程度広範なものか、日本語児がかき混ぜ文における格助詞等の情報をどのように処理しているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、語順が子供の解釈に与える影響について研究を行った。特に、我々が日常生活で使用する言語表現における語順は情報構造によって決まる傾向にあることに着目し、子供が二重目的語構文を解釈する際に、語順と情報構造にどのような影響を受けるかを調べる実験を行なった。前年度の実験結果と合わせて、査読付き論文3本を発表した。 また、ICUと梨花女子大学(韓国)の研究者との共同研究により、子供の文処理を成人若年層、老齢層と比較し、文処理の発達から老化の過程を調べた。その研究成果についての論文は、現在執筆中である。 これまで、子供が文を解釈する際に情報構造の影響を受けることを明らかにした先行研究はない。また、前年度の私の研究でも、子供の文解釈により情報構造の影響を示すデータを得ることはできなかった。しかし、今年度改良した実験で、初めて情報構造の明らかなな影響を示すデータを得ることができた。この結果を現在論文にまとめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響で、1年以上実質的な実験研究ができなかったため、研究の進捗状況は当初の予定より大幅に遅れている。そのため、研究期間を1年延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長した。 現在執筆中の、子供と成人若年層、老齢層の文処理についての論文を完成させ、投稿する。 実験デザインを改善し、語順と情報構造の影響を明らかにした実験結果をもとに、論文を執筆する。 「花子が太郎に肩をたたかせる」のような使役文を子供が解釈する際の語順の影響を調べるパイロット実験を行う。
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