研究課題/領域番号 |
20K13009
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 札幌学院大学 |
研究代表者 |
岸本 宜久 札幌学院大学, 経済経営学部, 講師 (20848600)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | アイヌ語 / 危機言語 / 記述言語学 / 言語ドキュメンテーション / データベース / フィールドワーク / フィールドデータ / AI文字起こし / AWS / 言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は以下の2点である。
1.アイヌ語鵡川方言の言語学的フィールド調査の実施および体系的記述 2.アイヌ語鵡川方言のフィールドワークで得られたデータの公開
1.については、現在、アイヌ語鵡川方言の継承語話者の協力を得て言語学的なフィールド調査を継続している。一度でも多くの調査機会をもてるよう、話者と相談の上、調査を進めていく。2.については、すでに1000時間を超える調査録音・録画が蓄積されているため、安定的なデータの保管と、データの公開に向けての準備(書き起こしなど)および、データベースの構築を計画的に進めていく。
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研究成果の概要 |
言語調査を目的としたアイヌ語のフィールドワークを継続的に実施した。また、フィールドワークで得られた言語資料のデータベースを構築するためにデータ整理を行った。とくに、音声資料はAI(AWS)での文字起こし処理を行ったうえで、日本語とアイヌ語の修正・書き直し作業を実行した。データ整理の一連の過程については、デジタル・ヒューマニティーズの観点から3件の発表を行った。また、アイヌ語鵡川方言の談話テキスト資料を発表し、言語特徴の記述を行った。年度内にデータベースの公開には至らなかったが、テキスト資料の公開とあわせて今後も課題として取り組んでいきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、アイヌ語の継承語話者はアイヌ語と日本語のバイリンガルであり、多くの場合、第一言語は日本語である。そのような環境において獲得されたアイヌ語に着目した記述研究や資料の公開は数少ない。本研究は、大正時代以降に生まれた若い世代のアイヌ語継承語話者の言語を記録・記述し資料を公開することで、アイヌ語の世代間の特徴や変容をとらえていくことに寄与するものである。また、アイヌ語や伝統的な風習が家庭や地域から失われつつあった時期(昭和前期)の詳細な社会状況や文化風習の情報は、言語学のみならず社会学、文化人類学などの領域においても貴重なデータである。
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