研究課題/領域番号 |
20K13010
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 (2023) 神田外語大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
冨岡 裕 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD) (90816505)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 社会言語学 / 消滅危機言語 / 琉球沖永良部語 / 言語復興 / 言語継承 / 沖永良部 / フィールド言語学 / 言語移行 / 言語意識 / 言語の活力 / 言語の体力 / Language Vitality / 東南アジア大陸部諸言語 |
研究開始時の研究の概要 |
世界の少数言語の多くは消滅の危機にさらされている。消滅のリスクを表す指標や、世界の言語の消滅リスク情報を提供するデータベースが国際機関や専門機関により提供されている。しかし同じ言語を話していてもコミュニティによりにおかれている状況は千差万別である。データベースの過信は、消滅リスクの過小評価にもつながる。本来はコミュニティごとにリスクを測定すべきだが、当事者が簡便に用いることができる指標は殆どない。本研究では、タイ東北部のブル語を中心に、コミュニティの状況を考慮しつつ言語消滅リスクとその要因を探ることにより、世界中の誰もが容易に自らの言語や方言の消滅リスクを推定できるような指標の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、採択期間の大半が新型コロナウイルスの世界的流行の影響を受けたこと、また、地域が真に求めている研究活動を検討した結果、当初予定していた研究活動の方向性を修正し、当該年度は主に次の活動を行った。 (1)琉球沖永良部語話者が実践している言語復興、言語継承に係る活動への参与観察、(2)同活動の企画・運営への協力、(3)沖永良部島の言語・文化の独自性や、日本国内の言語・文化の多様性に対する気づきを若年層に促す活動、(4)(3)の効果をより高めることを目的とした、海外(タイ東北地方)の多言語地域との国際交流活動の企画と実践、(5)沖永良部島とタイの少数言語コミュニティとのネットワーク構築のため、タイ視察の企画と実践、(6)これまでの活動成果の学会等での発信、である。 特に本研究課題では、これまでの研究活動で蓄積されてきた(1)、(2)、(3)の成果をもとに、引き続き(1)、(2)と行うとともに、活動の発展と深化を目指し、(5)も行った。 これらの活動を通じ、沖永良部島とタイの多言語地域、少数言語話者コミュニティを結び、特に前者のエンパワーメントに貢献した。さらに、これらの活動に携わったことで、少数言 語コミュニティと研究者の双方に、話者(当事者)と研究者の協働に関する経験と知見がもたらされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題は、採択期間の大半が新型コロナウイルスの世界的流行の影響を受けたことから、当初想定していたスケジュールで研究活動を進めることができなかった。また、同ウイルスの流行が下火になっている期間に、琉球沖永良部語の話者コミュニティを対象としたフィールド調査、さらにオンライン調査も組み合わせて研究活動を進めたところ、地域が真に求めている研究活動を再検討するに至った。その結果、少なくとも沖永良部島については、当初予定していた研究活動の方向性を修正することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの沖永良部島での研究活動で蓄積されたデータや考察を国内外に発信していく。さらに、本研究課題で実施した、国内の少数言語話者を対象とした調査活動や、話者らとの協働を通じて得た経験と知見を、国内外を問わず、他の少数言語話者コミュニティでの活動に応用し、活かしていく方法や可能性を検討していく。
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