研究課題/領域番号 |
20K13013
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
夏 海燕 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (80727933)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 動詞由来の受身標識 / 語彙的受身動詞 / 意味変化の規則性 / 共時的多言語調査 / 受身標識 / 「てくる」 / 不快感 / 着点動作主動詞 / 自己領域 / 人称階層 / 受身 / 遭遇動詞 / 自己領域へのモノの移動 / 意味変化 / 意味変化・意味拡張 / 話者領域 / 動詞由来受身標識 / 「てくる」の逆行態機能 / 受動態の本質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、動詞由来の受身標識及び形式上能動文の形を取りながら受身の意味を表す「語彙的受身動詞」について、共時的多言語調査と通時的コーパスデータに基づき、①受身標識へ文法化する本動詞及び語彙的受身動詞の基本義に着目し、多様性を生み出す意味変化の共通性を明らかにする。②動詞から受身標識へ文法化するプロセスにおける意味と構文の変化の詳細及び背後に潜む動機付けを究明し、統一的な説明を与える。③日本語における「てくる」の逆行態機能など、受身以外の言語現象もあわせて検討し、受動態の本質の解明に迫る。
|
研究成果の概要 |
本研究は、形態類型論的に異なる複数の言語(中国語、韓国語、日本語、モンゴル語、タイ語、ベトナム語、ロシア語、英語、スペイン語、ドイツ語)における動詞由来の受身標識及び形式上能動文の形を取りながら受身の意味を表す「語彙的受身動詞」に着眼し、①受身標識へ文法化する本動詞及び語彙的受身動詞の基本義にフォーカスを当て、多様性を生み出す意味変化の共通性を明らかにする。②方向性の間の関連性を論じるとともに、日本語における「てくる」の逆行態機能など、受身以外の言語現象もあわせて検討し、受動態の本質の解明に迫る。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
語彙項目から受身標識へ文法化するプロセスにおける意味変化の方向性については、従来の研究は単一言語、あるいは、当該の言語に複数の受身標識を持つ場合も各受身標識を個別に検討するアプローチがほとんどである。類型論的な立場からの研究としてHaspelmath(1990)やHeine and Kuteva(2002)などが挙げられるが、質的にも量的にもまだ不十分である。本研究では、系統的、地域的、類型論的に見て多様な10の言語を対象に調査を行い、文法化の方向性を包括的に見直していくとともに、横と縦の関係を統一的な説明を与えようとする点で、受身研究や意味論研究の進展に寄与するものであると考えられる。
|