研究課題/領域番号 |
20K13021
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大友 瑠璃子 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (10815939)
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研究期間 (年度) |
2020-02-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フィールドワーク / 介護 / 移民 / EPA / 外国人 / 言語政策 / 言語計画 / 移民研究 |
研究開始時の研究の概要 |
2008年以降、我が国は、東南アジア諸国と締結した経済連携協定(Economic Partnership Agreement, 以下EPA)を通じて、外国人介護福祉士候補者(以下候補者)を受け入れている。本研究は、EPAを言語政策と捉え、その言語政策策定・実施に関わる重要なアクターとしての候補者受け入れ施設における言語問題の認識・対処・構築の過程を明らかにするため、フィールド調査を行い、施設においての言語学習・使用の実態を把握する。特に、従来見逃されてきた職場での言語実践と施設を取り巻く労務環境の変化や経営指針・人材構想の連関を考察し、言語政策としてのEPAのミクロな側面に光を当てる。
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研究実績の概要 |
2020年、2021年度、2022年度同様、2023年度も、フィールド調査を行う老人保健施設や特別介護老人ホームなどにおける新型コロナウィルス感染拡大の懸念がぬぐえなかったため、外国人介護福祉士候補者を受け入れている施設を実際に訪れて視察することはできなかった。したがって、初年度から先延ばしにしていたフィールド調査場所の選定は行うことができておらず、そこで予定していた参与観察やインタビュー調査を行う目途は今立っていない。このため、2023年度のフィールド調査に関する研究実績としては、調査対象施設のリストの更新作業に留まる。 フィールド調査以外の研究活動としては、類似研究・先行研究の調査・整理・レビュー、EPA関連資料および近年刷新された介護職にかかわる在留資格についての政府関係各所から出される情報を継続的にオンライン上で収集・整理し、読み込み、分析を行った。その結果は、2023年出版の著書にまとめられている。また、オンラインで行われるようになったEPAの説明会の動画などのデジタルデータや、EPAの日本語教育を請け負っている団体(一般財団法人海外産業人材育成協会や国際交流基金)が主催・ 共催して行っている介護に携わる在日外国人による日本語スピーチコンテストのビデオデータも収集・整理して、文字起こしを終え、分析のための準備が整っている。 2024年度は、フィールドワークの施設選定、視察などを始める予定ではいるが、育児休暇と重なるため、実施は難しいと考える。したがって、研究計画を変更する形で、すでに収集し、下準備を終えたテキストベースのデータ分析を中心とした研究に切り替える予定でいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
産後休暇・育児休暇のための留保期間、その後の育児と公務、教職の両立などのライフスタイルの変化、並びに新型コロナウィルスの感染拡大のため、当初計画していたフィールドワークが実施できていない。しかし、研究計画の一部は刊行された著書に反映されるなど、一部の実績によってカバーされていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
過去4年の間に、コンタクトをとったフィールドワーク候補先がクラスター感染や施設利用者が高齢の場合、死亡リスクが高い場所の一つであり、また、介護従事者の労働環境の安全性を考慮して、研究者など外部のものが施設内に出入りすることに抵抗を示す可能性が高いということから、昨年度は、研究の推進方向の変更を考え始め、その方向で進めるための下準備を始めた。2024年度は、自身の育児休業との兼ね合いもあり、フィールドワークの施設選定、視察は実施しないこととし、現在まで収集したり整理したテキストデータの分析に舵を切っていくこととする。
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