研究課題/領域番号 |
20K13025
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 近畿大学 (2021-2022) 三重大学 (2020) |
研究代表者 |
大喜 祐太 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60804151)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | スイス / ドイツ語 / 地域的要素 / 方言 / 標準語 / 構文 / 地域的特性 / テキスト分析 |
研究開始時の研究の概要 |
テクスト中の方言・言語的地域性は,食べ物や自然,社会制度といった文化や習俗に関する語彙として出現するとき,読み手に対してローカルな情報を提供する。それと同時に,その表現自体が読み手を惹きつける心理的な「親密さ」を生んだり,あるいは反対にその表現に馴染みのない者にとっては「疎遠さ」を印象付けたりもする。書きことばの中の方言的要素は,標準語から逸脱した単なる「誤用」と認識されることもあれば,意図的に用いられるときには受け手に特定の印象を与える表現技法にもなり得る。本研究では,ドイツ語圏スイスの書きことばに焦点を合わせ,異なるテクストの比較を通して,方言や変種が使用される意味や効果を明らかにしたい。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は,ドイツ語圏スイスで使用される書きことばの分析を通じて,テクストに出現する方言や変種の持つ意味を考察することにあった。第一に,ドイツ語圏スイスにおける標準語と方言の関係の考察を行い,考察対象をスイス式標準語で書かれた各種テクストに定め,テクストに出現する方言的要素について,特に質的観点からの分析を試みた。続いて,文学作品のテクストに見られるスイス特有の語彙や構文,言い回しを調査することを通して,言語規範や言語使用者の規範意識について考察した。それらを踏まえ,ドイツ語圏スイスのテクストを分析し,地域的特徴がどのような文体的効果を与えているのかを考察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,スイスの書きことばの地域的要素を見つけ出すために,オリジナルの小説と後に出版された版を比較対象とすることによって,校閲者がどのような特徴を「スイス語法」とみなしているのかを検討した。テクスト中で用いられるいくつかの語彙や表現は,ドイツで一般的であるものに置き換えられていることがわかった。書きことばの中の方言的要素は,標準語から逸脱した単なる「誤用」と認識され,後世の版で書き改められることもあれば,ひとたび意図的に用いられるときには,受け手に特定の印象を与える表現技法にもなり得ると考えられる。
|