研究課題/領域番号 |
20K13033
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
上田 裕 大東文化大学, 外国語学部, 講師 (00733619)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 比較 / 変化 / 単純状態 / 形容詞 / 属性 / -く/になっている / 文末助詞“了” / -key toy-e iss-ta / 認識的変化 / 比較表現 / 評価 / なっている / 文末助詞“了2” / 認知 / 持続表現 |
研究開始時の研究の概要 |
話し手が認識上で主観的に読み込む変化を認識的変化と呼ぶ。「なっている」が認識的変化を表せる理由については、「基準・期待値からの逸脱」、「とらえられた状態に対する解釈」等の観点から説明されている。しかし、「AはBよりCくなっている」のような、比較文で用いられる「なっている」には、そうした観点から説明できない例が存在する。本研究は、主に比較の状況で用いられる認識的変化表現について、以下の点を明らかにする。①認識的変化表現「なっている」の成立条件、②変化を表す中国語の文末助詞“了”と韓国語の「-key toy-e iss-ta(-くなっている)」が、認識的変化表現として用いられるための条件。
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研究成果の概要 |
単純状態を叙述する「なっている」と「変化」を表す中国語の文末助詞“了2”、韓国語の「-key toy-e iss-ta(-く/になっている)」の成立条件について、2つの対象を比較する状況を中心に考察し、主に以下の点を明らかにした。①“了2”は「なっている」に比べて、単純状態を叙述する認識的変化表現として成立しやすい。②「-key toy-e iss-ta」は認識的変化を表すことはできず、a)対象に差が存在することに相応の意味があることを把握している状況、b)(結果的に)対象に差が存在するかたちでつくられたこと自体を問題とする状況で、被動的変化の結果を表す表現として成立する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日中韓3言語の変化表現およびそれを含む言語形式「-く/になっている」、文末助詞“了2”、「-key toy-e iss-ta(-く/になっている)が、比較の状況で、実際の変化を読み取れない単純状態を叙述するのに必要な条件を解明することにより、各言語の話者が当該の事態をどのようにとらえて表現しているかを明らかにした。これまでは、2つの対象を眼前で比較する状況で、話し手が認識上の変化を読み込むための条件について、十分な考察がおこなわれてこなかったが、本研究を実施することにより、その一端を明らかにすることができた。
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