研究課題/領域番号 |
20K13047
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 桃山学院教育大学 (2023) 甲南女子大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
酒井 雅史 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 准教授 (20823777)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 方言敬語 / 敬語運用 / 地理的分布 / 対照方言学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者がこれまで行ってきた西日本諸方言の敬語運用の特徴と地理的バリエーションの関係を対照方言学的観点から明らかにしようとするものである。これまでの方言敬語に関する研究では、敬語形式の地理的分布と特徴的な運用が個別に指摘されてきているという問題があった。 本研究では、この問題に対して、各地に赴いて収集した会話データを分析することで、敬語形式の体系とその運用の双方に関する記述を行い、西日本諸方言の敬語運用の特徴と方言間の伝播・受容・変化のありかたを明らかにする。
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研究成果の概要 |
敬語形式の多さや使用が活発であることが指摘されてきた西日本の中にあって、有標形式の使用率という点で関西方言内で認められる地理的連続性が、関西以北(福井・石川・富山)および以東(岐阜)には見られない。関西以西の方言では、山陽および四国地方でも地理的連続性が認められない一方、日本海側の地域では地理的連続性が認められる。各地の方言で使用する敬語形式との関連も一部窺われるものの、ことばをどのように用いるかは語形の伝播・受容とは必ずしも同じではないということが示唆されたことが本研究の主な成果の一つと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、日本語の地理的変異がどのように形成されていくかといった問いに新たな知見を提供し得るものである。また、これまでどのような言い方をするかといった観点から議論されてきた当該分野に対して、ことばをどのように用いるかといった観点からの議論へと発展させることのできる資料を提示したものと位置づけられる。 特に、人間関係のありようを反映するとされる敬語形式の用い方に関する分析の結果は、日本国内にとどまらない多様な文化的・社会的背景を持つ人々との交流の中で、普段のコミュニケーションの在り方が異なることを理解するための一助となるとも考えられる。
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