研究課題/領域番号 |
20K13051
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原田 走一郎 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00796427)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 危機方言 / 言語学 / 琉球諸語 / 八重山語 / 危機言語 |
研究開始時の研究の概要 |
八重山諸方言(主に沖縄県八重山郡竹富町黒島方言)に関して、談話資料データベースの構築を行う。データベースには日本語訳、逐語訳を付す。 また、談話資料データベースを用いた研究を行う。具体的には、形容詞の変異に関するものと、焦点助詞に関するものを行う。たとえば、係り結びが八重山諸方言では見られるが、係助詞が1つの文に複数回生じることや、いわゆる結びの流れも頻繁に観察される。このような現象は話者に意識されにくく、面接調査でその実態を把握することは困難であるため、談話資料を用いてこそ実態に迫ることができる。
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研究実績の概要 |
今年度の実績としては、1. 黒島方言音声付き映像の公開、2. 一般向け黒島方言の概説の執筆、の2点がある。なお、昨年度に「次年度に出版予定」としていた文法概説については出版の遅れによりいまだに出版されていないようであるが、これとは別のものであり、こちらは本年中に出版される予定である。 1. 黒島方言音声付き映像の公開について。これまで、本研究解題で録画してきた黒島の民俗や自然に関する映像に、黒島方言の談話を付して公開した。この動画は短いものであるが、黒島方言のトランスクリプション、日本語訳の字幕を付した。内容としては、アダンという黒島でよく見られる植物と人とのかかわりなどについてであり、言語的な内容に興味がない人にとっても、より興味を持って見られるような内容にした。なお、この動画は一般にも公開しているが、現地の博物館的存在である黒島研究所(NPO日本ウミガメ協議会附属)においても、モニターを設置し、展示の一部として公開している。当施設は現地住民のかたもよく訪れる施設であるので、現地に対する研究成果の還元と言う点においても、この動画が公開できたことの意義は大きいと考える。なお、方言談話の録音、方言談話の文字起こしについても、今年度も行った。また、これらの内容に合わせた動画の撮影についても引き続き行い、さらなる公開を目指している。 2. 一般向け黒島方言の概説の執筆について。一般のかたにとってなじみがより深いと思われる学校文法の枠組みを用いて、黒島方言の文法の概説、また、音声、音韻上の特徴の概説を行ったものである。本研究課題で得られたデータベースからの知見を反映させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究プロジェクト期間前半における新型コロナウィルス感染症にともなう移動制限により、研究計画の見直しを行ったが、それでもフィールドとする地域の地域的な感染状況のために調査がかなわなかったことがあった。そのために調査の絶対的な回数が減り、想定よりも少ない回数の調査しかこれまでに行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに録音した方言談話と映像の公開を行いたい。そのための文字起こしとそれにともなう方言の記述が主な研究になると思われる。具体的には、すでに録音されている内容を書き起こし、それにマッチする動画を作成、編集する必要がある。方言談話そのものはある程度録音がなされているので、その後のプロセスを行うことになる。
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